卜部平麻呂

卜部平麻呂の生涯と業績

卜部平麻呂（うらべのひらまろ）は、平安時代前期に活躍した貴族の一人である。彼は伊豆国出身とされ、その名は真雄や日良麿とも記載される。平麻呂の姓は宿禰に属し、卜部氏の祖とされている。家族には豊宗という子がいる。彼は従五位下および丹波介という官位を持ち、その経歴は公務に多くの足跡を残した。

出自と学び

平麻呂の出自については明確な記録が残っていない。ある系図によれば、彼は大中臣清麻呂の孫である智治麻呂の子とされている。しかし、宿禰姓の平麻呂が朝臣姓の大中臣氏の末裔であるという説には疑問が呈され、後世に作られたものと考えられている。また、他の系図では、中臣氏族に属し、卜部嶋足もしくは卜部宮守の子とされる場合もある。

幼少期から、平麻呂は亀卜（亀甲を焼いて現れる亀裂によって吉凶を占う技術）を習得し、そこからしっかりした基盤を築いた。神祇官の卜部となった彼は、亀卜を用いて義疑を判断する際にその技能を発揮し、円滑な行政運営に寄与した。

政治的キャリア

平麻呂の政治的キャリアは、彼の優れた卜術によって大きく開かれた。承和5年（838年）、彼は遣唐使として入唐し、翌年には帰国を果たす。この経験がその後の彼の官職に影響を与えた。帰国後は神祇大史や神祇少佑に就任し、神社や祭祀に関わる重要な役割を果たした。

天安2年（858年）には神祇権大佑に任命され、宮主を兼任することになる。貞観8年（866年）には三河権介に任じられ、貞観10年（868年）には従五位下に叙位された。この時点で彼の評価は高まり、その後備後介や丹波介といった地方官を歴任することになる。

彼は多くの場合、真雄から平麻呂と名を改め、名前を広めた。彼の豊富な経験は、地域の発展に寄与したと考えられる。

最期と官歴

平麻呂は元慶5年（881年）12月5日に75歳で亡くなる。その時の最終官位は従五位下行丹波介であった。彼の官歴は日本三代実録に詳細に記載されており、承和年間には神祇大史、嘉祥3年（850年）には神祇少祐として名前が見られる。さらに、斉衡4年（857年）には外従五位下が付与され、天安2年（858年）には神祇権大佑に任ぜられた。おそらく平麻呂の長い政治キャリアは、彼の卓越した能力と知識が評価された結果であろう。

卜部平麻呂は、その職務を通して神社や祭祀の重要性を理解し、実践した貴族の模範とも言える。彼の生涯は平安時代の行政や文化において、貴族がどのように役割を果たしていたのかを知る上で非常に重要である。

もう一度検索