原文兵衛

原文兵衛の生涯

原文兵衛（はら ぶんべえ）は、1913年4月29日に東京府東京市神田区（現在の東京都千代田区）で生まれ、1999年9月7日に86歳で亡くなった日本の内務官僚および政治家です。彼は従二位の位階を持ち、勲一等旭日桐花大綬章を受章しています。主な職務には、参議院議長（第20代）、環境庁長官（第13代）、自由民主党参議院議員会長（第17代）、女性のためのアジア平和国民基金（アジア女性基金）の初代理事長などがあります。

学歴と職歴

原文兵衛は、東京府立第四中学校、旧制浦和高等学校を経て、東京帝国大学法学部を卒業しました。1936年に内務省に入省し、警視庁に配属され、その後陸軍に入隊。戦後は滋賀県警察部や鹿児島県警察部で様々な役職を歴任し、最終的には警視庁の警視総監に就任しました。彼は1961年から1965年まで警視総監を務め、吉展ちゃん誘拐殺人事件や草加次郎事件の指揮を執り、1964年の東京オリンピックでは治安対策に尽力しました。

1965年からは公害防止事業団の理事長を務め、1971年以降は自由民主党から参議院議員として活動し、1981年には鈴木善幸内閣で環境庁長官に任命されました。その後も参議院議員会長や議長といった要職を務め、1995年に政界を引退しました。

家族と人間関係

原の妻は町村光子であり、彼女は町村農場の創設者町村敬貴の娘です。町村金五は妻の叔父であり、町村信孝は妻の従弟に当たります。また、娘婿には参議院議員の中川雅治がいます。彼は商人の家庭に生まれましたが、内務省への入省は町村家との縁を通じて実現したと言われています。

重要な業績と貢献

原文兵衛は、戦後処理問題や帰還問題の解決に注力し、特にサハリン残留朝鮮人の帰還問題や「慰安婦」問題に対する取り組みで知られています。アジア女性基金の理事長として、女性の権利や地位向上に貢献しました。

著作

彼は複数の著書を残しており、以下のようなものがあります。

• - 『警視総監の笑いと涙』（立風書房、1976年）
• - 『以文会友: 折り折りの記』（1982年）
• - 『元警視総監の体験的昭和史』（時事通信社、1986年）
• - 『以友輔仁: 続折り折りの記』（1995年）

彼の著作は主に自身の経験や昭和期における社会情勢について語られています。

最期

原は1996年に勲一等旭日桐花大綬章を受章し、1999年に肺炎のために逝去しました。彼の死去は、日本政界における重要な人物の一人を失うことを意味しました。彼の生涯と業績は、今も多くの人に影響を与えています。

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