原長頼

原長頼（はら ながより）：戦国時代を駆け抜けた武将

原長頼は、戦国時代から安土桃山時代にかけての武将、大名です。美濃国本巣郡花木城（中野城）を拠点とし、後に越前国勝山城、美濃国太田山城を治めました。官位は従五位下・隠岐守。

生涯

前半生

原氏は美濃土岐氏の流れを汲む一族で、長頼は原頼房の子として生まれました。初めは斎藤氏に仕えましたが、後に織田信長の家臣となります。

天正3年（1575年）8月、越前一向一揆討伐では、金森長近と共に郡上方面から越前大野郡に攻め込み、一揆勢を打ち破る活躍を見せました。この功績により、長頼は大野郡のうち2万石を与えられ、勝山城主となります。その後は柴田勝家の与力として北陸方面で活動し、天正6年（1578年）には織田信忠による有岡城攻め、翌天正7年（1579年）には播磨への出陣など、各地を転戦しました。同年、荒木村重の一族の処刑も担当しています。

天正9年（1581年）2月28日の京都馬揃えには、越前衆の一員として参加しましたが、上杉景勝による小出城攻撃の知らせを受け、勝家らと共に急遽帰国しています。

本能寺の変後

天正10年（1582年）、本能寺の変で織田信長が亡くなると、長頼は柴田勝家の麾下となりました。天正11年（1583年）の賤ヶ岳の戦いでは佐久間盛政に従軍し、激戦の中で奮戦、退却時には殿を務めたとされています。戦後は前田利家に属し、天正12年（1584年）には、前田氏の支城である能登末森城が佐々成政に包囲された際、徳山則秀と共に救援軍の後詰を務めました。

天正13年（1585年）には豊臣秀吉に仕え、伊勢国内に3万石を与えられました。天正18年（1590年）の小田原征伐後には、三河に移封となります。慶長3年（1598年）8月、秀吉の死に際して遺物三池を受領し、その後、美濃太田山城主となりました。

関ヶ原の戦い

慶長5年（1600年）の関ヶ原の戦いでは西軍に属し、長束正家を通じて毛利秀元に尾張清洲城攻略を提言しましたが、正家の反対により実現しませんでした。その後、福島高晴の伊勢長島城に圧力をかけたり、高木盛兼が籠もる美濃高須城を救援するなど活躍しましたが、本戦で西軍が敗れると脱走し、10月13日に自害しました。

また、子の彦作は豊後臼杵藩主・稲葉典通に仕えましたが、慶長19年（1614年）の大坂冬の陣で大坂城に入城しようとしたことが発覚し、処刑されました。

まとめ

原長頼は、戦国時代から安土桃山時代という激動の時代を生き抜いた武将です。織田信長、柴田勝家、豊臣秀吉といった時の権力者に仕え、各地を転戦し、数々の戦で武功を挙げました。関ヶ原の戦いでは西軍に属し、その敗戦と共に生涯を終えるという、まさに戦国武将らしい生き様を貫きました。

参考文献

阿部猛; 西村圭子 編『戦国人名事典』（コンパクト）新人物往来社、1990年、645-646頁。ISBN 4404017529。
谷口克広『織田信長家臣人名辞典 第2版』吉川弘文館、2010年、373-374頁。ISBN 978-4-642-01457-1。
高柳光寿; 松平年一『戦国人名辞典』（増訂版）吉川弘文館、1981年、198-199頁。
太田牛一 著、中川太古 訳『現代語訳 信長公記』中経出版〈新人物文庫〉、2013年。ISBN 978-4046000019。

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