厳島神社 (松山市)

三津厳島神社：歴史と伝統が息づく古社

三津厳島神社は、愛媛県松山市神田町に位置する、地元の人々に深く愛される神社です。この神社は、三津浜地区にあることから「三津厳島神社」とも呼ばれ、その長い歴史と地域に根ざした文化が特徴です。

歴史

社伝によれば、その起源は崇峻天皇の時代に遡ります。筑紫国の宗像大社から宗像三女神が勧請され、その後、安芸国の厳島神社からも神が迎えられたとされています。文武天皇の時代には、東山の地に神殿が新築され、神亀元年（724年）には安芸の厳島神社の神が勧請されました。応仁元年（1467年）には河野通春が神殿を造営し、慶長7年（1602年）に現在の地へ遷座されました。明治時代に入り、大国主命、小彦名命をはじめとする多くの神々が合祀され、明治40年（1907年）には郷社に列せられました。

祭神

主祭神は宗像三女神であり、

市杵島姫命（いつきしまひめのみこと）
湍津姫命（たぎつひめのみこと）
田心姫命（たごりひめのみこと）

を祀っています。また、以下の神々も合祀されています。

大国主命（おおくにぬしのみこと）
小彦名命（すくなひこなのみこと）
塩土神（しおづちのかみ）
崇徳天皇（すとくてんのう）
事代主命（ことしろぬしのみこと）
蛭子命（ひるこのみこと）
保食神（うけもちのかみ）

境内社

境内西側には天満宮と恵美須宮の二社が併設されています。天満宮は学問の神様である菅原道真公を祀り、恵美須宮は恵美須神と寿老神を祀っています。特に寿老神は、伊予七福神まいりの一つとして親しまれています。祠の前にはなで牛、なで恵美須神、なで寿老神の石像が奉納されています。

年中行事

年間を通じて様々な行事が行われますが、特に10月6日の例大祭と、翌7日の神幸祭は有名です。神幸祭では、三津の南北と古三津の南北、計4体の神輿が激しくぶつかり合う「喧嘩神輿（鉢合わせ）」が行われます。この鉢合わせは、神輿の担き棒を正面からぶつけるという勇壮なもので、早朝に行われる宮出しは「暁（あかつき）の宮出し」と呼ばれています。御霊遷しの際には、氏子たちが横になって人の道を作り、神が床を踏まないように守ります。また、宮出しの前には、古三津地区の伝統芸能である虎舞が奉納されます。平成20年（2008年）には、三津の南北の神輿が100年ぶりに新調されました。

その他

境内には、松山出身の秋山好古が揮毫した「日露戦役表忠碑」があります。これは日露戦争における忠義を称える記念碑です。

アクセス

* 伊予鉄道高浜線三津駅下車、徒歩5分。

周辺には、JR予讃線三津浜駅、松山市立宮前小学校、松山市立三津浜小学校、松山市立三津浜中学校、松山西警察署、松山西郵便局、三津浜港（三津の渡し）、松山市中央卸売市場水産市場（三津の朝市）、三津浜銀天街などがあります。

まとめ

三津厳島神社は、その長い歴史と伝統、地域との深いつながりを通じて、今もなお多くの人々に信仰され、愛されています。喧嘩神輿で知られる例大祭をはじめ、様々な行事が地域文化を支える重要な役割を果たしています。三津浜を訪れた際には、ぜひ足を運んでみてください。

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