古賀元博

古賀元博は、1964年または1965年6月25日に佐賀県三養基郡で生まれた柔道家です。階級は65kg級と71kg級で、身長は168cm。特筆すべきは、バルセロナオリンピック71kg級金メダリストである古賀稔彦を弟に持つことでしょう。

柔道を始めたのは小学校3年生の時で、近所の友人たちの影響で弟の稔彦とともに始めました。小学校卒業後には、柔道私塾として知られる講道学舎に入塾。中学3年生の時には全国中学校[[柔道大会]]の団体戦で3位入賞を果たしています。弟の稔彦が講道学舎へ入塾することには、その厳しさから反対していたものの、弟は兄の意見を聞き入れず、同じ道に進みました。講道学舎では、東京オリンピック中量級金メダリストである岡野功から、直立姿勢から投げ切る一本[[背負投]]を直接指導され、得意技としました。この一本[[背負投]]は、弟にも厳しく指導し、共に磨き上げました。

世田谷学園高校2年の時には、金鷲旗で1年先輩の持田治也や、後に世界選手権78kg級で2位となる持田達人などと共に活躍し、チームを初優勝に導きました。当時、重量級選手が中心であった高校柔道界において、軽量級や中量級の選手たちで構成されたチームが全国優勝を果たしたことは、大きな話題となりました。弟の稔彦によると、この頃の兄は、大学や警察の道場へ出稽古に行った際、大人の選手を背負投で担ぎ上げると、畳から板張りの床の上にわざわざ移動させて、そこに思い切り叩きつけるという、恐ろしい選手だったといいます。また、新人体重別では78kg級で3位、全国高校選手権団体戦でも3位という成績を残しました。3年時には、金鷲旗で1年生の弟と共に活躍しましたが、チームとしては3位に終わりました。

1984年には日本体育大学に進学し、1年時には正力杯の71kg級で3位入賞を果たしました。正力国際では、決勝で東海大学4年の田所勇二と対戦。得意の一本[[背負投]]で効果を奪ってリードしていましたが、試合終了と同時に田所の得意技である腕挫十字固を極められ、審判は一本を宣告しました。しかし、それは試合終了後の動作と判断され、結果的に古賀が優勝を飾りました。2年時には、新人体重別の東京予選決勝で、すでに次世代のエースと目されていた世田谷学園高校3年の弟と対戦し、腕挫十字固で敗れました。この試合前には、自身も世界を目標にしている以上、相手が弟であっても勝つしかない、父が息子より偉大であるように、兄は弟よりも強くあらねばならないという強い気持ちで試合に臨んでいましたが、この敗戦を機に、自分を超える存在となった弟に教えることはもう何もないと悟り、世界への夢を諦めたといいます。その後、65kg級に階級を下げ、3年の時には正力杯で3位となりました。また、モスクワで開催されたCNN創業者のテッド・ターナーが考案した第一回グッドウィルゲームズにも出場し、3位入賞を果たしています。大学卒業後は、福岡県内の公立高校教員となりました。

2025年1月24日、60歳で逝去。約4年前に53歳で亡くなった弟の稔彦と同様に、癌を患い闘病していました。弟の月命日にこの世を去りました。

主な戦績としては、1980年の全国中学校[[柔道大会]]団体戦3位、1982年の金鷲旗優勝、同年の新人体重別78kg級3位、1983年の全国高校選手権団体戦3位、同年の金鷲旗3位、そして71kg級では1984年の正力杯3位、1985年の正力国際優勝、65kg級では1986年の正力杯3位とグッドウィルゲームズ3位などが挙げられます。

古賀元博は、その柔道人生において、一本[[背負投]]を武器に数々の試合で活躍し、弟である古賀稔彦と共に柔道界にその名を刻みました。特に、高校時代に軽量級中心のチームで金鷲旗を制覇したことは、当時の柔道界に大きな衝撃を与えました。大学卒業後は教員の道に進みましたが、その柔道に対する情熱は、多くの人々に影響を与えたと言えるでしょう。また、弟である稔彦の存在は、古賀元博にとって大きな刺激であり、同時に大きな影響を与えました。兄弟で切磋琢磨し、それぞれの道を歩んだ二人の柔道家は、日本の柔道史に欠かせない存在として記憶されることでしょう。

もう一度検索