台北捷運新北投支線

新北投支線：台北の温泉郷を結ぶ路線

新北投支線は、台湾の首都台北市北投区を走る、台北捷運淡水線の支線です。全長わずか1.2kmの短い路線ながら、北投温泉や陽明山への観光客、そして新北投地区の住民の通勤・通学に欠かせない重要な役割を担っています。

開業から現在までの歩み

1997年3月の開業以来、新北投支線は地域社会に密着した路線として発展を遂げてきました。しかし、その歴史は順風満帆ではありませんでした。高架線路が民家に近接していることから、開業当初から騒音問題が大きな課題となっていました。そのため、当初は6両編成だった電車は3両編成に減車され、最高速度も25km/hに制限されました。さらに、騒音対策として、運行時間帯も制限され、夜間はバスによる代行輸送が行われる期間もありました。

しかし、その後、周辺住民との協議を重ね、防音壁の設置などの対策を講じることで、2007年9月には全時間帯での電車運行が再開。代行バスは2008年1月をもって廃止され、利用者の利便性向上に大きく貢献しました。

技術面の特徴と今後の展望

新北投支線は、標準軌（1,435mm）を採用し、直流750Vの第三軌条方式による電力供給を受けています。全線が複線高架構造となっており、右側通行となっています。

開業当初から騒音問題への対策は継続されており、2019年には淡水線との直通運転に向けた実証実験が行われました。6両編成の列車による大安・象山方面への直通運転は、利用者の利便性向上に繋がると期待されましたが、騒音問題がクリアできず、断念されました。現在も、騒音対策を含めたさらなる利便性向上のための検討が続けられています。

過去には、愛知万博で採用されたHSST（磁気浮上式鉄道）の導入計画もありましたが、実現には至っていません。

北投温泉をテーマにしたラッピング電車

2009年からは、北投温泉をテーマにしたラッピング電車が運行され、観光客に親しまれています。地域性を活かした取り組みは、新北投支線の魅力を高める一助となっています。

まとめ

新北投支線は、短い路線ながら、地域住民の生活と密接に関わり、観光客にも利用される重要な交通機関です。騒音問題など、様々な課題を抱えながらも、利用者の利便性向上に向けた努力が続けられています。今後の更なる発展と、地域社会との調和が期待されます。

駅一覧

新北投支線には、新北投駅と北投駅、二つの駅が存在します。

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