台湾の地理

台湾の地理：多様な地形と豊かな自然

台湾は、ユーラシア大陸の東南沿海、太平洋西岸に位置する島嶼です。中華民国が実効支配する範囲は、台湾本島に加え、澎湖諸島、金門群島、馬祖列島を含みます。本稿では、この全域を対象に、台湾の多様な地理的特徴を解説します。

位置と概要

台湾本島は、北緯22度～25度、東経120度～122度の範囲に位置し、フィリピン北部、琉球諸島南西に近接しています。面積は約36,000平方キロメートルで、南北に長く、東西に狭い形状をしています。東海岸はフィリピン海に、西海岸は台湾海峡を挟んで中国大陸に面し、地理的に重要な位置を占めています。日本の与那国島からは約107kmの距離です。

地形と地質

台湾は、ユーラシアプレートとフィリピン海プレートの境界上に位置し、複雑な地質構造を有しています。地層の隆起活動により、中央山脈を主軸とする山脈群が島を南北に縦断し、全島面積の約3分の2を占めます。山脈の東西には、比較的平坦な丘陵地、台地、河川の沖積平野が広がっています。平坦地は主に西側に集中しています。

山脈

台湾には、中央山脈、雪山山脈、玉山山脈、阿里山山脈、海岸山脈の5つの主要な山脈があります。中央山脈は台湾の背骨とも呼ばれ、東西の河川の流れを分ける役割を果たしています。玉山（標高3,952m）は台湾最高峰です。山岳地帯は険峻で、標高3,000mを超える山々が数多く存在します。

丘陵地、平野、台地、盆地

山地と平野の中間には丘陵地が広がり、桃竹苗丘陵や恒春丘陵などが知られています。西南部に位置する嘉南平野は台湾最大の平野で、その他、彰化平原、蘭陽平野、屏東平野、花東縦谷などがあります。また、林口台地、桃園台地、大肚台地、八卦台地などの台地や、台北盆地、台中盆地、埔里盆地などの盆地も存在します。

地質と地震

台湾の地質は、複数の島弧がプレートの衝突によって合体した複雑な構造を示します。そのため、地震活動が活発で、1999年にはマグニチュード7.3の集集大地震が発生しました。

火山

台湾は環太平洋火山帯に位置し、北部の大屯火山群、東部の海岸山脈火山群、澎湖火山群など、いくつかの火山があります。現在、活発な火山活動は確認されていません。

河川と湖沼

台湾には129本の河川があり、濁水渓、高屏渓、淡水河などが主要な河川です。濁水渓は台湾最長の河川で、高屏渓は流域面積が最大です。淡水河は台北市周辺を流れ、清朝時代には重要な交通路として利用されていました。一方、湖沼は多くはなく、日月潭が最大の天然湖です。多くのダム湖も存在します。

島嶼

台湾には、蘭嶼、緑島、小琉球など多くの島嶼があり、澎湖群島、金門群島、馬祖列島など、台湾本島以外の島々も含まれます。東沙諸島や南沙諸島については、領有権問題があります。

気候

台湾の気候は、北回帰線を境に北部が亜熱帯気候、南部が熱帯モンスーン気候となります。南部は年間を通じて高温多湿ですが、北部と比べ降水量は少ないです。

海岸

台湾の海岸は、地域によって大きく異なります。西部海岸は砂浜や砂洲が多く、遠浅の海岸線が広がっています。東部、北部、南部海岸は、岩礁が多く、切り立った地形が特徴です。南部海岸には珊瑚礁も見られます。

生態保護区

台湾には、自然保護を目的とした国立公園、自然保護区、野生動物保護区など、多様な生態保護区が整備されています。

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