台湾基督長老教会

台湾基督長老教会

台湾基督長老教会（たいわんキリストちょうろうきょうかい）は、台湾における最大のキリスト教プロテスタント教派です。その起源は19世紀に遡り、スコットランドとカナダの宣教師たちによってもたらされた長老派の伝統を受け継いでいます。この教会は、単なる宗教団体にとどまらず、台湾の社会、教育、医療の発展に大きく貢献してきました。

歴史

1865年、スコットランド出身の宣教師ジェームズ・マックスウェル（馬雅各）が、イングランド長老教会ミッションの一員として台湾に上陸しました。彼は当時の中心都市であった台南で医療院を開設し、医療活動を通じてキリスト教の宣教を開始しました。これが、現在の太平境マクスウェル記念教会などのルーツです。

1872年には、カナダ長老教会の宣教師であるジョージ・レスリー・マッケイ（馬偕）が淡水（台北近郊の港町）に到着し、同様に医療奉仕を行いながら台湾北部での宣教活動を開始しました。マッケイによって設立された医療施設は、後の馬偕記念医院へと発展しました。

これらの宣教師たちの献身的な働きにより、長老派教会は台湾で最も影響力のある宗派の一つとなりました。第二次世界大戦後の1951年、それまで別々に活動していた二つの長老派教会が合同し、現在の台湾基督長老教会が設立されました。

組織と特徴

組織

台湾基督長老教会は、民主的な組織構造を持っています。最高意思決定機関は総会（General Assembly）であり、各地域には中会、そして各教会には小会（または堂会）が置かれています。小会を持たない「支会」も存在します。

以下は、主な中会の一覧です。

嘉義中会
東区、西区、南区、北区
高雄中会
寿山中会
屏東中会
台南中会 (太平境マクスウェル記念教会など)
東部中会
彰化中会
台中中会 (柳原教会など)
新竹中会
台北中会 (中山教会 (台北市)など)
七星中会
泰雅爾中会(タイヤル族中会）
太魯閣中会(タロコ族中会）
魯凱中会(ルカイ族中会）
阿美中会(パンツァハ族中会）
東美中会(アミ族中会）
西美中会(アミ族中会）
排湾中会(パイワン族中会）
東部排湾中会(パイワン族中会）
布農中会(ブヌン族中会）
中布中会(ブヌン族中会）
南布中会(ブヌン族中会）
客家宣教中会(客家人中会）

中会よりも小さく、小会よりも大きい組織として、「区会」が存在します。以下は、主な区会の一覧です。

鄒族区会(ツォウ族区会）
達悟区会(タオ族区会）
比努悠瑪雅呢区会(プユマ族区会）
賽德克区会(セデック族区会）

特徴

台湾基督長老教会は、台湾語での礼拝を多く行っていることが特徴です。日本統治時代も含め、台湾の人々と共に歩んできた教会であり、その歴史は台湾の歴史と深く結びついています。また、日本語での礼拝も行われています。

信仰告白

（詳細については、公式の信仰告白を参照ください。）

関連機関

台湾基督長老教会は、教育、医療、出版など、多岐にわたる分野で関連機関を持っています。

教育機関

長栄大学
長栄中学
長栄女子中学
台南神学院
台湾神学院
玉山神学院

医療機関

馬偕記念医院
馬偕医学院
馬偕医護管理専科学校（馬偕医学大学が設立準備中）

出版

台湾教会公報社（新聞社、台南市）

関連項目

台湾語
白話字
日本長老教会
日本基督教団
馬偕
馬偕記念医院

外部リンク

台湾基督長老教会ホームページ（中国語・英語）
馬偕記念医院 Mackay Memorial Hospital（中国語・英語）

台湾基督長老教会は、台湾の歴史と文化に深く根ざした教会であり、今後も社会における重要な役割を果たし続けるでしょう。

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