台湾鉄路管理局EMU600型電車

EMU600型電車は、台湾鉄路管理局（台鉄）が2001年12月に営業運転を開始した交流電車です。

概要

宜蘭線と北廻線の電化に伴う輸送力増強のため、2001年から2002年にかけて56両が韓国のロテム（現・現代ロテム）で製造されました。電装品には日本の東芝製のものが採用されています。本形式は、従来のEMU500型の後継車として開発され、インバータにIGBT素子を使用するなどの改良が加えられました。

2023年8月24日には、3編成の台車に亀裂が発見されたため、安全上の理由から全車両が一時的に使用停止となる措置が取られました。

仕様

構成

EMU600型電車は、4両の固定編成で構成されています。編成の両端に位置する先頭車が電動車、中間の2両が付随車となっています。付随車のうち1両にはパンタグラフと主変圧器が搭載され、電動車には制御装置が搭載されています。最大で4編成を連結した16両編成での運転が可能です。また、EMU500型との連結も考慮されています。ただし、実際の営業運転では、最大8両編成で運行されています。

主要機器

主電動機には、三相交流かご形誘導電動機が用いられており、出力は1台あたり240kWです。電動車1両に4台が搭載されており、1編成あたりの総出力は1,920kWとなります。制御装置には、VVVFインバータを用いた可変電圧可変周波数制御方式が採用されています。

車体

車体構造はEMU500型に準じていますが、外板には4本のビード（縦方向の補強用プレス加工）が入っています。各車両の片側には、両開き式の客用扉が3つ設置されています。プラットホームの高さとの関係から、乗降口には1段のステップが設けられています。

車内

車内にはロングシートが採用されており、中間車両にはトイレが設置されています。

編成

EMU600型電車は、以下の4両編成で構成されています。


凡例
VVVF: 主制御器（VVVFインバータ装置）

脚注

台車の亀裂問題は、その後の調査で原因が特定され、修理と対策が実施されたものと推測されます。詳細な情報については、台湾鉄路管理局の公式発表をご確認ください。

関連項目

台湾鉄路管理局
区間車

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