宜蘭線

宜蘭線：台湾北東部を繋ぐ鉄路の歴史

宜蘭線は、台湾鉄路管理局が運営する、基隆市八堵駅から宜蘭県蘇澳駅に至る全長93.6kmの鉄道路線です。台湾北東部の主要都市を結び、地域住民の生活を支える重要な交通手段となっています。

路線データ

管理者: 台湾鉄路管理局
路線距離: 八堵～蘇澳間 93.6km
軌間: 1,067mm
駅数: 27駅
複線区間: 全線
電化区間: 全線（交流25,000V、60Hz）
電報略号: 一ㄌㄒ
開業日: 1919年（大正8年）部分開業、1924年（大正13年）12月1日全線開業

歴史

宜蘭線の歴史は、1917年（大正6年）に台湾総督府によって南北両端から工事が開始されたことから始まります。その後、段階的に路線が延伸され、1924年（大正13年）に旧草嶺トンネルの完成によって全線が開通しました。

1917年7月: 台湾総督府が南北両端から着工
1919年3月24日: 宜蘭～羅東間が開通
1919年5月5日: 八堵～瑞芳間が開通
1919年11月15日: 礁渓～蘇澳間が開通
1920年1月27日: 瑞芳～猴硐間が開通
1920年12月10日: 南線が大里まで開通
1924年12月1日: 旧草嶺トンネル完成により全線開通
1945年10月25日: 日本の敗戦により中華民国が接収
1980年2月1日: 北廻線と接続
1980年秋: 複線化工事着工
1986年1月9日: 全線複線化完了
2000年5月3日: 八堵～羅東間が電化
2003年7月4日: 羅東以南の電化完了、全線電化
2017年9月1日: 牡丹駅、大渓駅を招呼駅に降格
2017年9月16日: 貢寮駅、四城駅を乙種簡易駅に降格
2020年12月4日: 土砂災害により瑞芳～猴硐間が不通
2020年12月14日: 東正線（下り線）が復旧、双単線での運行再開
2021年2月3日: 西正線（上り線）が復旧、運行正常化

主な文化資産

宜蘭線沿線には、歴史的な価値のある鉄道関連施設が数多く残されています。これらの多くは、複線化事業によって廃止されたものの、歴史遺産として保存・活用されています。

旧宜蘭線猴硐トンネル群（瑞芳 - 三貂嶺間）: 新北市歴史建築
旧三貂嶺トンネルと三瓜子トンネル（三貂嶺 - 牡丹間）: 新北市歴史建築
旧草嶺トンネル（福隆 - 石城間）: 宜蘭県古蹟、現在は自転車道として再利用
旧蘭陽大橋（宜蘭 - 二結間）: 宜蘭県歴史建築
宜蘭駅の水搭・旧倉庫群: 宜蘭県歴史建築

運行形態

宜蘭線では、以下の様な列車が運行されています。

区間車・区間快車: 樹林 - 蘇澳間を基本に、縦貫線や北廻線に直通する列車も運行。
東部幹線対号列車: 台東、花蓮、蘇澳方面からの列車が、西部幹線へ直通運転を行う列車も存在。

使用車両

宜蘭線で使用されている車両は多岐に渡り、特急列車から普通列車まで、様々な種類の車両が運行されています。

特急列車
E1000型プッシュプル式電車
TEMU1000型電車（太魯閣号）
TEMU2000型電車（普悠瑪号）
EMU3000型（2021年より）
気動車
DR2800型
DR2900型
DR3000型
急行・快速列車
莒光号
復興号
普通列車
EMU500型
EMU600型
EMU700型
EMU800型
EMU900型(2021年より)
DR1000型

駅一覧

（駅名は省略）

ギャラリー

（画像ギャラリーは省略）

関連項目

台湾の鉄道

出典

宜蘭線（台湾鉄路公司）（日本語）
* 宜蘭線の歴史をたどる片倉佳史、『交流』924号、2019.9

もう一度検索