司憲府

司憲府（サホンブ）について

司憲府は、高麗から李氏朝鮮の期間にかけて朝鮮で重要な役割を担った政府機関です。この機関は895年に御史台として設立され、その後1298年に元の影響を受けて名称が変更され、以降は司憲府として知られるようになりました。この名称は1369年に定着し、朝鮮末期まで継続しました。

設立と変遷

司憲府は、高麗時代中期に設置され、当初は御史台の名前で運営されていましたが、元の支配下での官制の改変により名称が変更されました。その後、1392年に李氏朝鮮の太祖によって中枢院の南側に置かれ、1894年の甲午改革で改組されて都察院の一部となりました。これにより、政権の中での位置づけが変化しましたが、その基本的な機能は残りました。

権限と機能

司憲府の主な役割は、時政の評価や官吏に対する監察、風俗の矯正、冤罪の解消、法律違反の取り締まりなど、多岐にわたります。時政に関しては、弘文館や司諫院と連携し、議論を行い、これらの組織は「台諫」や「三司」とも呼ばれました。また、政治に関する活動は大司憲や執義などが主導し、王の講義に参加することもありました。

司憲府の取り締まりに関する権限は、時代によって異なります。高麗時代には全官吏に対して厳格な処分が可能でしたが、朝鮮時代に入ると、中央官吏に対しては剥奪される官職が限られるようになりました。これにより、全官吏の監察は刑曹や漢城府、義禁府と連携して行われるようになり、これらを三法司と呼びました。

監察業務は、中央官吏や地方へ派遣され、全官庁の監督を行うことが求められました。監察は通常外部での業務が多く、持平という役職が業務命令を出す役割を果たしていました。また、監察は特定の部屋で働き、これが内房と外房に分かれて機能しました。内房には監察の代表者や役人が、外房には残りの監察が配置されていました。

このように司憲府は、国家の中枢を構成する重要な機関の一つであり、議政府や六曹と共に国政運営に関与しました。しかし、太宗の治世において、大司憲の孟思誠が権限を乱用し、報告なしに拷問を行ったことがあるなど、こうした組織が取り扱う過程では負の側面も出現しました。これにより朋党政治や勢道政治が発生し、後に議政府や六曹の権限を制限し、その結果多くの弊害をもたらしました。

構成

司憲府は、その構成において吏曹から25人の書史を付属させており、経国大典においては39人にふくらみ、大典通編ではさらに55人に増員され、最終的には25人に減少しました。加えて、書写係が2人、所由が33人、軍士が3人いるなど、さまざまな職務が存在しました。

このように、司憲府は天子直轄の機関として、法律の執行、官吏の監察、国家の運営に大きく寄与し続けたのです。

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