司法制度改革審議会

司法制度改革審議会について

司法制度改革審議会は、1999年7月27日から2001年7月26日までの間、内閣に設置された審議会です。その目的は、21世紀の日本社会において司法が果たすべき役割を明らかにし、国民がより利用しやすい司法制度を実現することでした。

審議会の目的と構成

審議会設置法2条によれば、国民が司法制度へ関与しやすく、法曹の在り方や機能の充実強化を図り、司法制度の改革と基盤の整備に関して必要な基本的施策について調査審議することを目的としていました。委員長は佐藤幸治近畿大学教授（当時）・京都大学名誉教授が務め、13名の委員で構成されていました。

審議会の成果

2001年6月12日には、「司法制度改革審議会意見書 -- 21世紀の日本を支える司法制度」と題する最終意見書がまとめられました。この意見書では、以下の様な広範な提言が行われています。

知的財産高等裁判所の設置
法科大学院の設置
裁判員制度の導入
行政事件訴訟法の改正
ADR制度の充実

これらの提言は、その後の日本の司法制度に大きな影響を与えました。

審議委員

審議会は、法律家と非専門家によって構成されていました。

法律家

佐藤幸治 (法学者、近畿大学法学部教授、京都大学名誉教授)
井上正仁 (法学者、東京大学法学部教授)
竹下守夫 (法学者、一橋大学名誉教授・駿河台大学長)
藤田耕三 (弁護士、元広島高等裁判所長官)
水原敏博 (弁護士、元名古屋高等検察庁検事長)
中坊公平 (弁護士、元日本弁護士連合会会長、元住宅金融債権管理機構社長)

非専門家

北村敬子 (商学者、中央大学商学部長)
鳥居泰彦 (経済学者、慶應義塾大学学事顧問)
曽野綾子 (作家、財団法人代表、日本船舶振興会会長)
石井宏治 (企業経営者、(株)石井鐵工所代表取締役社長)
山本勝 (企業経営者、東京電力(株)取締役副社長)
高木剛 (組合代表、日本労働組合総連合会副会長)
吉岡初子 (消費者団体代表、主婦連合会事務局長)

年表

1988年: 矢口洪一最高裁長官(当時)が陪審制・参審制の研究のため裁判官の海外派遣を指示
1997年12月3日: 行政改革会議が司法制度改革の必要性を指摘
1999年7月27日: 司法制度改革審議会を設置
2000年9月: 司法制度改革審議会で、最高裁側から、市民が評決権を持たない参審制が提案
2001年1月: 司法制度改革審議会で陪審制かそれとも参審制かで意見が分かれるなか、審議会ヒアリングで松尾浩也が初めて「裁判員」という言葉を使用
2001年6月: 司法制度改革審議会が最終意見書を提出
2001年12月: 司法制度改革推進本部を設置
2002年3月: 司法制度改革推進計画を閣議決定
2002年以降: 司法書士法、弁理士法、学校教育法、司法試験法など、関連する法律が多数改正・制定
2004年1月: 与党が裁判員制度の合議体の構成について「裁判員6人と裁判官3人」で合意
2004年11月30日: 司法制度改革推進本部の設置期限到来

関連事項

司法制度改革
裁判員制度
審議会
法制審議会
内閣府設置法

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