上宝村

上宝村（かみたからむら）

概要

上宝村は、かつて岐阜県吉城郡に存在した村で、長野県と富山県に接する山間部に位置していました。平成の大合併以前は、約475km²と岐阜県内で最も広い面積を持つ市町村でした。村の東側には飛騨山脈（北アルプス）がそびえ、南東部には交通の難所として知られた安房峠がありました。飛騨山脈を源とする高原川が西へ流れ、深い峡谷を形成していました。

村の集落は、役場があった村の西側と、奥飛騨温泉郷を中心とする東側に分かれていました。この地理的な特徴が、上宝村の歴史や文化に大きく影響を与えてきました。

地理

山岳:

黒部五郎岳
双六岳
樅沢岳
笠ヶ岳
穂高岳
焼岳
乗鞍岳
三俣蓮華岳

河川:

高原川
蒲田川

これらの山々や河川が、上宝村の豊かな自然景観を形成していました。

歴史

1875年（明治8年）:
平湯村、一重ヶ根村など32の村が合併し、上宝村が誕生しました。
1889年（明治22年）:
町村制施行により、吉城郡上宝村が正式に成立しました。
1979年（昭和54年）:
栃尾地区で集中豪雨による土石流が発生し、甚大な被害が出ました。
2005年（平成17年）:
大野郡の6村と吉城郡国府町とともに高山市に編入され、上宝村は消滅しました。

上宝村の歴史は、自然との共生、そして災害との闘いの歴史でもありました。

行政

村長:
小池強氏が1994年8月31日から2005年2月1日まで村長を務めました。

教育

中学校:

北稜中学校

小学校:

栃尾小学校
本郷小学校

2005年以前に廃校となった小中学校:

上宝村には、合併前に多くの小中学校が廃校となりました。

上宝村立蔵柱中学校（1965年廃校）
上宝村立長倉中学校（1965年廃校）
上宝村立平湯中学校（1968年廃校）
上宝村立栃尾中学校中尾分校（1970年廃校）
上宝村立本郷中学校（2004年廃校）
上宝村立本郷中学校双六冬季分校（1963年廃校）
上宝村立栃尾中学校（2004年廃校）
上宝村立双六小学校（1965年廃校）
上宝村立長倉小学校（1968年廃校）
上宝村立本郷小学校大原冬季分校（1969年廃校）
上宝村立平湯小学校（1969年廃校）
上宝村立蔵柱小学校（1975年廃校）
上宝村立栃尾小学校中尾分校（1970年廃校）

これらの学校は、上宝村の地域社会を支える重要な役割を担っていました。

交通

鉄道:

村内には鉄道路線が通っていませんでした。最寄りの駅は神岡鉄道神岡線奥飛騨温泉口駅でしたが、2006年に神岡線が廃止されたため、現在はJR高山本線飛騨国府駅が最寄りとなります。

路線バス:

濃飛バスが運行していました。

索道:

新穂高ロープウェイがあります。

道路:

中部縦貫自動車道（安房峠道路平湯IC）
国道158号
国道471号
岐阜県道76号国府見座線
岐阜県道89号高山上宝線
岐阜県道475号槍ヶ岳公園線
岐阜県道477号長倉神岡線
岐阜県道485号平湯久手線

上宝村は、これらの交通網によって外部と繋がっていました。

観光

上宝村には、多くの観光地がありました。

奥飛騨温泉郷:
平湯温泉、福地温泉、新平湯温泉、栃尾温泉、新穂高温泉といった温泉地が集まっています。
奥飛騨クマ牧場
奥飛騨おもちゃ博物館（平成28年頃閉館）
ふるさと歴史館
上宝高原スキー場（平成12年シーズンを以て閉鎖）
平湯温泉スキー場
* 上宝トーカイカントリークラブ（平成21年頃より閉鎖）

これらの観光地は、上宝村の経済や文化に大きな貢献をしていました。

合併後

上宝村は2005年に高山市に編入されました。合併後の地区名は、北西部域の17地区が「高山市上宝町○○」、南東部域の13地区が「高山市奥飛騨温泉郷○○」となっています。これにより、上宝村の名前は行政区画としては消滅しましたが、その歴史や文化は現在も高山市の一部として受け継がれています。

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