吉士駒

吉士 駒（きし の こま）について

吉士 駒は飛鳥時代に活躍した豪族で、名前は糸とも呼ばれていた。彼は外交業務において重要な役割を果たし、その生涯や出自、業績については多くの歴史的記録に残されている。

出自

「吉士」という姓は、古代朝鮮の「首長」や「族長」に由来するとされ、この姓は後に氏へと変化した。彼は、外交の場でその名を馳せ、特に『新撰姓氏録』によると、吉士氏は「摂津国皇別」に分類され、阿倍氏と同族であると主張される。さらに、大嘗会では、阿倍氏が難波吉士を率いて吉志舞を捧げる習慣も形成されていた。6世紀以降は、難波吉士系統の氏族が主流となり、彼らの本拠地は摂津国嶋下郡吉志部村にあたる現在の大阪府吹田市岸部町であったと考えられている。

記録と業績

白雉4年、吉士 駒は遣唐使の一員として、道長に副使として任命され、総勢121人を率いて唐に派遣された。彼らは南島路を経由し、正式な使節団として唐の地に至った。派遣中、彼の位は小乙上であり、重要な地位にあった。

翌年の7月、百済や新羅の使者と共に「西海使」として筑紫国に到着し、その後唐に帰還した際には、吉士長丹と共に皇帝に謁見しました。この時に、数多くの文書や宝物を皇帝から授与され、その功績が評価される形で小山上の冠位を授けられた。これにより、彼は外交官としての名声を得、歴史にその名を刻むこととなった。

このように、吉士 駒はその時代において特異な地位を占めていた人物であり、その行動やつながりは後の時代にも影響を与えた。彼の出自や業績は、多くの文献に取り上げられており、飛鳥時代の豪族たちの動向を知るうえで貴重な資料となっている。さまざまな関連文献が彼の存在を裏付けており、氏族としての背景や外交的貢献を知る手助けとなる。

参考文献

吉士 駒についての詳細な情報は、多くの歴史書や辞典に記載されています。たとえば、三省堂の『コンサイス日本人名事典』や、岩波書店の『日本書紀』、さらには中公文庫の『海をこえての交流』などが参考になります。また、古代の氏族についての考察を行った作品も、彼の存在を知る手助けとして有益です。これらの文献を通じて、吉士 駒とその時代背景を深く理解することができるでしょう。

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