小原鑑元

小原鑑元（おばら あきもと）は、戦国時代の武将であり、豊後の戦国大名・大友氏の家臣として知られています。阿南氏の庶流である小原氏の出身で、本貫は豊後国阿南荘小原（現在の大分県由布市）です。父は小原右並（すけなみ）とされています。

生涯

鑑元は、初め大友義鑑に仕え、その偏諱を賜って鑑元と名乗りました。天文19年（1550年）の二階崩れの変では、義鑑の遺書に雄城治景、吉岡長増、田北鑑生、臼杵鑑続、志賀親守らと共に連署しています。その後は大友義鎮（後の宗麟）の加判衆（家老）となりました。

同年、大友家の混乱に乗じて隈本城に入った菊池義武を、佐伯惟教らと共に攻め、肥後国を平定。翌天文20年（1551年）には南関城に入り、肥後方面の守りを任されました。

姓氏対立事件

弘治2年（1556年）5月、大友家中で大きな事件が起こります。鑑元は、大友氏が豊後へ来る以前から領地を持っていた武家（他紋衆）を糾合し、大友氏の庶家である同紋衆の重用政策に反対して挙兵しました。この背景には、大友家中で以前から存在していた同紋衆と他紋衆の対立がありました。

義鑑は生前、加判衆の半数を他紋衆から選ぶように遺言していましたが、義鎮は同紋衆を重用したため、他紋衆の不満が高まりました。肥後平定後、鑑元が加判衆から外されたことも、この事件の要因の一つと言われています。

他紋衆の挙兵は、大友氏の館がある府内でも発生し、当主義鎮が要害の丹生島城へ避難する事態にまで発展しました。しかし、同紋衆の働きにより、共に挙兵した本庄新左衛門尉統綱、中村新兵衛長直、賀来紀伊守惟重らは豊後で討ち取られ、佐伯惟教は伊予国へ逃亡しました。

鑑元は南関城に籠城し、城兵を叱咤して奮戦しました。しかし、城に火をかけられるに至り、妻子を手にかけた後、城兵と共に城外へ討って出て壮絶な討死を遂げました。

小原鑑元の乱は、大友氏の勢力争いと家臣団の内部対立が複雑に絡み合った事件であり、鑑元の悲劇的な最期は、戦国時代の武将の生き様を象徴するものとして語り継がれています。

関連作品

赤神諒の小説『大友落月記』（日本経済新聞出版社、2018年）は、小原鑑元の乱を題材としており、鑑元の人物像や事件の背景を深く掘り下げた作品として知られています。

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