吉村和敏

吉村和敏

吉村和敏（1967年 - ）は、日本の写真家です。長野県松本市で生まれました。中学生時代にカメラに興味を持ち、高校の写真部で本格的に写真撮影を始めました。

写真家への道

高校卒業後、吉村は東京の印刷会社に就職しましたが、2年後に退職し、写真家を志してカナダへ渡りました。カナダ横断中に立ち寄ったプリンスエドワード島の風景に魅せられ、その地で写真撮影に没頭しました。1年後、日本に帰国し、プリンスエドワード島の写真が雑誌『私のカントリー』で特集されたことをきっかけに、写真家としてのキャリアをスタートさせました。

当時、赤毛のアンブームの兆しが見え始めており、プリンスエドワード島関連の雑誌や旅行パンフレットに写真を提供しました。その後は、アルバイトで資金を貯めてはカナダで撮影を重ねる生活を続け、1999年に個展『Prince Edward Islamd』を開催、2000年には写真家としてのデビュー作となる『プリンスエドワード島』（講談社）を出版しました。

独自のスタイル

吉村の作品は、ブルーモーメントやマジックアワーなど、光と色彩の効果を重視したものが特徴です。カナダ大西洋岸やヨーロッパの風景を多く撮影していますが、一方で、『Sense of Japan』や『雪の色』など、日本の風景を捉えた作品も制作しています。

受賞歴と著作

2002年には、カナダ大西洋岸の風景を捉えた写真集『光ふる郷』で、第2回カナダメディア賞大賞を受賞しました。2004年には、谷川俊太郎との共著『あさ/朝』、『ゆう/夕』が累計30万部を超えるヒットとなりました。

また、2007年には日本写真協会賞新人賞、2015年には東川賞特別作家賞を受賞するなど、数々の賞を受賞しています。

吉村は、写真集や共著など、多数の著作を発表しており、その作品は多くの人々に感動を与え続けています。

主な著作

• - 『プリンス・エドワード島』（講談社、2000年）
• - 『光ふる郷』（幻冬舎、2002年）
• - 谷川俊太郎 共著『あさ/朝』、『ゆう/夕』（アリス館、2004年）
• - 『BLUE MOMENT』（小学館、2007年）
• - 『Sense of Japan』（ノストロ・ボスコ、2009年）
• - 『MAGIC HOUR』（小学館、2010年）
• - 『雪の色』（丸善出版、2015年）
• - 『錦鯉』（丸善出版、2017年）
• - 『Du CANADA』（日経ナショナルジオグラフィック、2019年）

個展

吉村は、国内外で数多くの個展を開催しています。

• - 1998年 『ある日、凪ぐ時』（ニコンサロン/東京）
• - 1999年 『Prince Edward Island』（ペンタックスフォーラム/東京）
• - 2002年 『光ふる郷』（富士フォトサロン/東京）
• - 2003年 『プリンス・エドワード島とアトランティック・カナダの四季』（松本市美術館/長野）
• - 2004年 『あさ/朝・ゆう/夕』（紀伊國屋画廊/東京）
• - 2007年、2008年 『ブルーモーメント』（フォトエントランス日比谷、朝日新聞東京本社階ギャラリー/東京、富士フォトサロン/札幌・仙台）
• - 2009年 『Sense of Japan』（富士フイルムフォトサロン/東京・大阪）
• - 2010年 『MAGIC HOUR』（キヤノンギャラリーS/東京）
• - 2015年 『イタリアの最も美しい村全踏破の旅』（リコーイメージングスクエア/東京）
• - 2017年 『MORNING LIGHT』（リコーイメージングスクエア/東京、大阪）
• - 2019年 『Du CANADA』（富士フイルムフォトサロン/東京）

その他

吉村は、リコーイメージングの製品監修も行っています。PENTAXのカメラのカスタム設定「PH-mode Yoshimura」は、風景写真撮影に特化したモードとして知られています。

まとめ

吉村和敏は、光と色彩を巧みに捉え、見る人の心に響く風景写真を創り出す写真家です。プリンスエドワード島を始めとする美しい風景を捉えた作品は、多くの人々を魅了し続けています。写真集や個展を通じて、その世界観を体験してみてください。

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