吉田城 (尾張国)

吉田城（よしだじょう）

吉田城は、かつて愛知県春日井市下条町に存在した室町時代の日本の城（平城）です。

概要

吉田城は、織田敏定の家臣であった小坂吉政によって築城されたと伝えられています。小坂吉政は元々山名氏に仕えていましたが、応仁の乱の頃に京都へ出て織田敏定の家臣となり尾張国へ移り、その頃に築城されたと考えられています。

築城当初は柏井城と呼ばれていましたが、小坂吉政が吉田孫四郎吉政と改名したことに伴い、吉田城と呼ばれるようになりました。城の少し東には、城主である小坂雄吉が居城としていた上条城が存在していました。

歴史

室町時代

小坂吉政が奉行所として館を建てたのが始まりとされています。その後、土塁や堀が築かれるようになり、建物も立派になったことから吉田城と名乗るようになりました。

戦国時代

天文23年（1554年）の清洲攻めの際、当時の城主であった小坂久蔵正氏が清洲城の南西（深田口）で討ち死にしました。小坂久蔵正氏には子がなかったため、城は相続されずに放置されていましたが、織田信長は小坂雄吉に跡を継がせようとしました。初代城主である小坂吉政の孫の小坂吉俊の孫が小坂雄吉の生母であり、小坂久蔵正氏は小坂吉俊の息子という関係で、両家はもともと親戚でした。こうして小坂氏を継ぐことになった小坂雄吉は、吉田城と上条城の城主となりました。

天正12年（1584年）の小牧・長久手の戦いでは、羽柴秀吉が休戦の条件として吉田城や上条城、小牧にあった諸城を取り壊すことを命じたため、吉田城は廃城となり、戦いは終結しました。

現代

かつては『近世村絵図』「第十八図下条村絵図」に「吉田城」と明記され、地籍図からも城跡を確認することができましたが、現在は本丸があった下条公園に石碑が一つ建てられているのみです。公園を整備している時に3つの大きな石が出土し、現在は春日井市立小野小学校と下条八幡社に置かれています。

所在地

愛知県春日井市下条町3丁目7

交通アクセス

鉄道
JR中央本線 勝川駅下車、南へ徒歩約20分。
バス
名鉄バス・あおい交通：「勝川駅」バス停下車、南へ徒歩約20分。
かすがいシティバス：「春日井高等養護学校」バス停下車、北へ徒歩約1分。
自動車
名古屋第二環状自動車道 松河戸ICより約3分。
中央自動車道 春日井ICより約30分。

脚注

参考文献

石川石太呂 1992年9月15日「吉田城跡について」『郷土誌かすがい 第41号』春日井市公式HP

関連項目

日本の城一覧
上条城 (尾張国)

外部リンク

吉田城　ちえぞー！城行こまい - ウェイバックマシン（2019年1月1日アーカイブ分）

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