吉頂寺晃

吉頂寺 晃（きっちょうじ あきら）

吉頂寺 晃（1906年4月7日 - 不明）は、日本の俳優で、本名は岡崎 光彦。旧名は岡崎 光や吾妻 三郎であり、東京都神田区からの出身です。彼は俳優としてのキャリアを長きにわたって築き上げ、多岐にわたる役柄で観客を楽しませました。

来歴

吉頂寺は、第一早稲田高等学院を中退した後、映画界に入るため高松プロ吾妻撮影所の研究生となりました。1926年にタカマツ・アズマプロ制作の映画『男児一諾』でデビューします。その翌年、松竹蒲田撮影所に移籍し、吾妻三郎に改名し、小津安二郎のデビュー作『懺悔の刃』に主演しますが、松竹蒲田が時代劇の制作を止めたことから退社します。

彼は1928年に河合プロダクションに加入し、その後、東亜キネマに移籍して芸名を吉頂寺 光に戻します。1930年には帝国キネマ長瀬撮影所に移籍し、新興キネマに組織変更された後もそのまま在籍していました。1935年に彼は芸名を二つに分け、京の太秦では吉頂寺 光名義、現代劇では岡崎 光彦名義で活動を行う決断をしました。

1942年、大映が設立された際に退社し、戦後は東宝の専属俳優として活動を続け、改名して吉頂寺 晃となります。東宝に所属している間は多くの作品にエキストラ出演することが多く、1970年には専属俳優の一斉解雇があり、それ以降はモデルクラブボンドに所属し、1980年代まで俳優業を続けました。

人物・エピソード

彼のデビュー当時、日本映画界は阪東妻三郎の人気に沸いており、多くの映画会社が彼に似たチャンバラスタアを作ろうとしていました。吉頂寺の芸名は「阪東妻三郎のそっくりさん」として売り出され、実際に観客が阪妻に似ていることから、場末の映画館では客が見間違えることも多かったようです。

主な出演作品

吉頂寺 晃は、数多くの映画でさまざまな役を演じました。1926年の『男児一諾』から始まり、1930年代には『江戸城総攻め』や『万五郎青春期』、さらには1940年代には『七人の侍』や『宮本武蔵』といった名作にも出演しました。1954年からは『ゴジラ』シリーズにも関与し、特に1954年の『ゴジラ』では海上保安庁の係官役を演じています。

また、テレビでもその存在感を発揮し、1967年には『ウルトラセブン』にゲスト出演しました。彼の俳優としての活動は、映画界の変化とともに進化していき、その独特の存在感と演技力で多くの観客に愛されました。

総括

吉頂寺 晃は、初期の俳優業から現代まで多岐にわたる作品に関わり続けた日本映画界にとっての重要な人物です。彼の作品には、彼の個性と日本の映画文化の変遷を感じることができ、今なお多くのファンに記憶されています。

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