周波数帳

周波数帳について

『周波数帳』（しゅうはすうちょう）は、株式会社三才ブックスが発行している無線局に特化したムックです。この書籍は、日本国内の無線周波数を包括的にまとめたもので、超長波からマイクロ波にかけての電波割当て原則をはじめ、受信可能な無線局の用途や使用者情報、コールサイン、出力、所在地等を詳細に収録しています。日本における無線受信の参考資料として広く利用されています。

歴史と刊行状況

『周波数帳』の起源は1982年（昭和57年）にさかのぼります。当初は月刊誌『ラジオライフ』の別冊として発行され、初版では読者から寄せられた傍受情報や様々な方法で収集した周波数データが纏められました。それ以降、この書籍は毎年更新され、年10月に翌年版が発行される形をとっています。

1990年代以降は、データの増加に伴い、そのページ数も徐々に増加していきました。2000年に発行された版を最後に、偶数年に版を発行する形に移行し、発行間隔はさらに開くこととなりました。特に2010年代に入ると、市販の受信機で聴取困難になるデジタル化した無線の影響で、2010年版は発行されず、「2011 - 2012年版」として発行されました。2013年には、「2014 - 2015年版」として再度発行されました。

また、スマートフォンの普及に伴い、2010年代後半からはアプリ版も提供され、Google PlayやApp Storeでダウンロード可能です。

データの特長

『周波数帳』には、約65,000波（2008年版）の数据が収められており、日本国内における無線周波数に関する資料として非常に貴重な存在となっています。特に総務省が公開している無線局等情報検索では非公開のものが多いため、免許を要しない無線局の周波数や盗聴波の利用周波数帯も含まれている点が特に特徴的です。

ただし、この書籍はあくまで「日本で受信できる周波数」を収録することを主旨としているため、短波帯の業務無線は主に「日本周辺のもの」のみを取り上げています。そのため、自身の受信趣味だけでなく、官公庁や業務無線局においても資料として利用されていることがあります。

主な収録内容

書籍に含まれる主な内容は、2014 - 2015年版の構成に基づいており、基本的には日本の無線局のデータが中心ですが、電波の伝播特性から海外の局も収録されています。具体的には、以下のようなジャンルに分かれています：

• - 消防無線・救急無線
• - 警察無線
• - 防災行政無線
• - 航空無線
• - 鉄道無線
• - バス無線
• - 国際VHF
• - ミリタリー無線（海上保安庁・自衛隊・在日アメリカ軍の無線）
• - 官公庁の無線
• - 電力会社の無線
• - ガス会社の無線
• - 上下水道事業の無線
• - マスコミの無線
• - ラジオ放送
• - 銀行の無線
• - 警備会社・現金輸送の無線
• - 各種業務無線
• - 一般簡易無線
• - 通運事業・運送会社の無線
• - レジャー・アミューズメント・ショッピングセンターの無線
• - タクシー無線
• - アマチュア無線局のレピーター
• - ワイヤレスマイク
• - 盗聴波

このように、様々な種類の無線が網羅されているため、幅広いユーザーにとって有用な情報源となっています。特に日本国内で受信することができる数少ない参考書として、その重要性は今後も変わらないでしょう。

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