和州 (安徽省)

和州の歴史的変遷

和州（わしゅう）は、中国の歴史において、南北朝時代から民国初年にかけて、現在の安徽省馬鞍山市和県一帯に設置された州です。その歴史は、数々の王朝の興亡と密接に結びついており、行政区分や名称の変遷を辿ることができます。

魏晋南北朝時代

555年（北斉の天保6年）、北斉によって和州が初めて設置されました。しかし、573年（南朝陳の太建5年）に南朝陳が北斉を攻撃した際、一時的に廃止されます。その後、579年（北周の大象元年）に再び北周によって和州が設置されました。この時期は、南北朝という分裂時代であり、和州もその影響を受けて設置と廃止を繰り返しました。

隋代

隋代になると、和州は2郡3県を管轄するようになります。しかし、607年（大業3年）に州が廃止され郡が置かれると、和州は歴陽郡（れきようぐん）と改称され、下部に2県を管轄するようになりました。この時の行政区分は以下の通りです。

唐代

唐代に入ると、620年（武徳3年）に歴陽郡は和州と改められました。しかし、742年（天宝元年）には再び歴陽郡に改称され、757年（至徳2載）にまた和州の名称に戻されました。和州は淮南道（わいなんどう）に属し、歴陽県と烏江県（うこうけん）の2県を管轄しました。このように、唐代において和州は名称の変更を繰り返しました。

五代十国時代

五代十国時代になると、920年（呉の武義2年）に呉は和州を徳勝軍（とくしょうぐん）の管轄とし、南唐もこれを踏襲しました。958年（後周の顕徳5年）に後周が淮南地区を支配するようになると、徳勝軍は保信軍（ほしんぐん）と改称され、和州も保信軍の管轄に移されました。

宋代

宋代に入ると、和州は淮南西路（わいなんせいろ）に属し、歴陽県、烏江県、含山県（がんざんけん）の3県を管轄しました。この時期、和州の行政範囲は拡大しました。

元代

1276年（至元13年）、元朝により和州に鎮守万戸府（ちんじゅばんこふ）が設置され、1277年（至元14年）には安撫司（あんぶし）が置かれました。1278年（至元15年）には和州安撫司が和州路（わしゅうろ）と改称されました。しかし、1291年（至元28年）に和州路は和州に降格し、廬州路（ろしゅうろ）に属し、歴陽県、烏江県、含山県の3県を管轄しました。

明代以降

明代に入ると、1369年（洪武2年）に歴陽県と烏江県が廃止され、和州に編入されました。1374年（洪武7年）には鳳陽府（ほうようふ）に属し、1380年（洪武13年）には直隷州（ちょくれいしゅう）に昇格しました。和州直隷州は南直隷（なんちょくれい）に属し、含山県1県を管轄しました。

清代になると、和州直隷州は安徽省に属し、含山県1県を管轄しました。そして、1912年、中華民国により和州直隷州は廃止され、和県（かけん）と改められ、現在に至ります。

和州は、その歴史の中で、数々の王朝の興亡に翻弄されながらも、その名を歴史に刻んできました。現代の和県は、この歴史的な変遷を経て、今日に至っています。

もう一度検索