唐・新羅戦争

唐・新羅戦争について

唐・新羅戦争（とう・しらぎせんそう）は、670年から676年にかけて行われ、唐と新羅が激しく対立した歴史的な戦争です。通常は「羅唐戦争」とも呼ばれ、多くの辞典や歴史書にその名が見受けられます。この戦争は、あらゆる背景が絡み合う中で展開され、朝鮮半島の歴史に多大な影響を与えました。

背景

この戦争の始まりは、660年にさかのぼります。当時、唐と新羅は同盟を結び、連携して百済を滅ぼしました。その後、668年には高句麗をも征服し、朝鮮半島を掌握しようと画策します。唐は百済に熊津都督府、高句麗に安東都護府を設け、新羅も鶏林州都督府を設立して自国の強化に努めました。しかし、唐の勢力拡大は新羅にとって許容できないものであり、次第に敵対する状況が生まれました。

新羅の文武王は、高句麗の遺民で構成された復興軍の活動を支援し、唐に対抗する姿勢を強めます。670年3月には高句麗遗民軍と新羅軍が協力し、タルニョン川を越えて唐軍に攻撃を仕掛けることで戦争が勃発しました。この時、新羅は高句麗の復興を進めるために、高句麗の安勝を新たな王として推挙しました。

戦局の展開

戦局は刻々と変化し、新羅は百済地域の唐軍を次々と攻撃します。671年までに82の城を占領し、泗沘城の陥落は特に重要な勝利とされました。674年には新羅が安勝を百済地域の報徳国王として配置し、自国の地域支配を進めていきました。

一方、唐軍は672年7月に平壌を占領し、さらに韓始城や馬邑城の占領も成功させます。しかし、新羅と高句麗の連合軍は673年には瓠瀘河で唐軍に撃退され、復興運動は衰退の一歩を踏み出しました。この頃、唐の高宗は文武王の立場を揺るがせる動きを見せ、文武王の弟である金仁問を新たな王として冊封します。

戦争の終息

戦争は675年に転機を迎え、新羅軍が泉城で唐軍を破った後、さらなる勝利を重ねます。そして676年11月には新羅の水軍が唐の薛仁貴の水軍を撃破し、戦いのツボを完全に覆します。この結果、唐は朝鮮半島からの撤退を余儀なくされ、新羅が優位に立ちます。

影響

唐・新羅戦争は、朝鮮半島の歴史において重要な出来事として位置付けられています。この戦争を経て新羅は勝利をおさめ、三国の統一へと進むことができました。朝鮮半島の支配構造や文化に多大な影響を与えた本戦争は、記録や文献に多く残されており、後世への教訓ともなっています。

この歴史的な対立は、唐と新羅の関係性を変革させ、その後の時代にも影響を与え続けることとなりました。

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