喉輪

喉輪（のどわ）：相撲の技

喉輪とは、相撲の取り組みにおいて見られる技術の一つです。相手の喉に手を「筈」（はず。親指と他の4本の指をY字型に開いて相手の体にあてがう形）にして押し当て、相手の動きを封じることを目的とします。

喉輪の概要

喉輪は、相手の喉に手を当てることで、相手の体勢を崩し、動きを制限する効果があります。具体的には、以下の様な効果が期待できます。

体勢の崩し: 喉輪で顎を押し上げることで、相手の重心を浮かせ、体勢を崩します。
動きの制限: 喉を圧迫することで、相手の呼吸を妨げ、動きを鈍らせます。

喉輪の状態から、突っ張りなどの別の技に移行したり、そのまま押し出すといった展開も考えられます。もう一方の手は、相手に圧力を加えるためにおっつけるのが基本です。相撲では常に顎を締めることが重要ですが、喉輪は下から顎を押し上げるため、相手の重心が浮き上がりやすくなります。

決まり手としての喉輪

現在、「喉輪」は公式な決まり手として認定されていません。しかし、公式な決まり手が制定される以前の1951年1月場所4日目、羽黒山政司と九州錦正男の取り組みにおいて、マスコミが「喉輪」を決まり手として報道しました。これは、喉輪による押し出しであったと考えられています。

他の競技への応用

喉輪の技術は、相撲以外の格闘技でも応用されることがあります。相手の動きを止める目的で使用されることがありますが、指を使った喉への直接的な攻撃は、ルールで禁止されている場合が多いです。

プロレスにおいては、喉輪の状態から移行する技が複数存在します。特に投げ技系の技が多く、「喉輪落とし（チョーク・スラム）」が代表的な例として挙げられます。この技は、大相撲出身のプロレスラーである田上明などが得意技としていました。また、玉鷲一朗の代名詞ともされる技でもあります。

参考文献

金指基著 『相撲大事典』2002年

関連項目

相撲
大相撲
決まり手

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