四条貞子

四条貞子（西園寺実氏正室）

四条貞子（しじょう さだこ、藤原貞子とも、1196年 - 1302年）は、鎌倉時代の貴族女性であり、西園寺実氏の正室として知られています。彼女は、権大納言四条隆衡を父に、坊門信清の娘を母に持ち、西園寺姞子・西園寺公子らの母となりました。また、後深草天皇や亀山天皇らの祖母、伏見天皇や後宇多天皇、鎌倉幕府将軍の久明親王らの曾祖母にあたります。准三宮、今林准后としても知られています。

経歴

貞子の父である隆衡の母は平清盛の娘であり、貞子は清盛の曾孫にあたります。同母の兄弟には隆親がおり、姉妹には二条良実室の灑子や西園寺公基室の親子がいました。

西園寺実氏との結婚後、1225年に姞子（後の後嵯峨天皇中宮・大宮院）を、1232年には公子（後の後深草天皇中宮・東二条院）を産んでいます。

1282年には、自身の死後の冥福を祈る逆修供養を行いました。この時の願文は現存しており、世尊寺経尹の筆と伝えられ、東京国立博物館に所蔵されている重要文化財です。

1285年には、90歳の御賀が盛大に行われ、その様子は『増鏡』や『とはずがたり』に詳しく記述されています。特に『とはずがたり』の記述は、当時の華やかな様子を今に伝える貴重な資料となっています。

1302年10月1日に、107歳という長寿を全うしました。彼女が生きた時代は、建久から正安までの35の元号に及びます。これは、彼女が日本の歴史の変遷を長く見届けたことを意味します。

晩年には北山に壮麗な邸宅を構え、北山准后と称されました。彼女の長寿と、その存在感は、当時の人々にとって特別なものであったと考えられます。

人物

四条貞子は、その長寿と、多くの皇族や公家との繋がりから、鎌倉時代の社会において重要な役割を果たした女性でした。彼女の存在は、当時の政治や文化に大きな影響を与えたと考えられます。また、彼女の逆修供養の願文が現存していることからも、彼女の信仰心の篤さが窺えます。

参考文献
井上宗雄『増鏡（中）』、講談社（講談社学術文庫）、1983年
角田文衛『平家後抄（下）』、講談社（講談社学術文庫）、2000年
* 近藤敏喬 編『宮廷公家系図集覧』、東京堂出版、1994年

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