井上宗雄

井上宗雄

井上宗雄（いのうえ むねお、1926年10月10日 - 2011年3月18日）は、日本の国文学者であり、中古・中世和歌史を専門としていました。立教大学名誉[[教授]]の称号を持ち、文学博士（立教大学）の学位も有しています。

生涯

東京で生まれた井上宗雄は、1949年に第二早稲田高等学院（文科）を修了後、学制改革に伴い早稲田大学第一文学部国文学専修に編入し、1951年に卒業しました。その後、1953年に早稲田大学大学院文学研究科日本文学専攻を修了。学究生活を終えると、すぐに教職につき、1953年より早稲田大学高等学院教諭として教壇に立ちました。

1962年、立教大学に専任講師として移籍。1965年には助[[教授]]に昇任し、研究者としてのキャリアを重ねていきます。1966年には、学位論文「中世歌壇史の研究 南北朝期」により、立教大学から文学博士の学位を授与されました。1971年には立教大学教授に就任し、1992年に定年退職するまで、多くの学生を指導しました。立教大学退職後は名誉[[教授]]となっています。

定年退職後も研究活動は衰えず、1992年に早稲田大学客員[[教授]]・特任教授に就任し、1997年まで務めました。

また、研究活動以外にも、1962年10月には東京大学国語国文学会賞（久松賞）を受賞。俳句にも造詣が深く、「寒雷」に所属して句作に励むなど、多才な一面も持っていました。

業績

井上宗雄は、中世和歌史研究において数多くの業績を残しました。

著書

『中世歌壇史の研究 室町前期』風間書房 1961
『中世歌壇史の研究 南北朝期』明治書院 1965
『古典名歌の探求 後拾遺集・梁塵秘抄他』(文法・文脈・整理)有朋堂 1967.6
『百人一首』(明解シリーズ) 有朋堂 1967.12
『中世歌壇史の研究 室町後期』明治書院 1972
『平安後期歌人伝の研究』[笠間書院] 1978.10
『鎌倉時代歌人伝の研究』風間書房 1997.3
『百人一首を楽しくよむ』笠間書院 2003.1
『[百人一首]] 王朝和歌から中世和歌へ』[[笠間書院] 2004.11
『[京極為兼]]』[[吉川弘文館] 2006.5
『中世歌壇と歌人伝の研究』笠間書院 2007.7
『和歌典籍俳句』笠間書院 2009.2
『書架解体 王朝和歌から中世和歌へ』青簡舎 2010.10
『句文集 書架解体』書苑社 2010.10

校訂など

『雲玉和歌抄』 衲叟馴窓 島津忠夫共編 古典文庫 1968
『古今・新古今』松野陽一共著 有朋堂 1968.4 (明解シリーズ)
『詞花和歌集』藤原顕輔 片野達郎と校注 笠間書院 1970 (笠間叢書)
『年表資料中世文学史』藤平春男、山田昭全共編 笠間書院 1973
『小倉百人一首 鑑賞とかるた上達法』伊藤秀文共著 旺文社 1975
『日本文学史』新間進一、前田愛共著 旺文社 1975.1
『増鏡』全訳注 講談社学術文庫 全3冊 1979-1983
『中世歌書集』古典文庫 1981.6
『とはずがたり』 中院雅忠女 和田英道と訳・注　創英社 1984.3 (全対訳日本古典新書)
『福武古語辞典』中村幸弘共編 福武書店 1988.9
『新潮古典文学アルバム 百人一首』村松友視共著 新潮社 1990.12
『師説撰歌和歌集 本文と研究』安井重雄共編 和泉書院 1993.4
『東常縁』島津忠夫共編 和泉書院 1994.11
『新編和歌の解釈と鑑賞事典』武川忠一共編 笠間書院 1999.9
『新編日本古典文学全集 49 中世和歌集 3』小学館 2000.11
『京都冷泉家の八〇〇年 和歌の心を伝える　歴史編』冷泉為人、小倉嘉夫共著 日本放送出版協会 2004.4 (NHKシリーズ)

記念論集

* 中世和歌 資料と論考 明治書院 1992.10


井上宗雄の業績は、中世和歌史研究に多大な貢献を果たし、後進の研究者たちに大きな影響を与え続けています。

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