国家民族事務委員会

中華人民共和国国家民族事務委員会について

中華人民共和国国家民族事務委員会は、中国国内における少数民族の権益保護を目的として、国務院に所属する国家委員会です。中国共産党の民族政策に基づいて設立され、少数民族の代表が委員長を務めることもあります。中国では、「民族識別工作」によって、チワン族、ウイグル族、モンゴル族、回族、苗族など、55の少数民族が認定されています。

沿革

1949年10月22日、中央人民政府民族事務委員会（略称：中央民委）として発足しました。これは中華人民共和国において最も早く設立された中央政府委員会の一つです。1954年には中華人民共和国民族事務委員会と改称されましたが、文化大革命の影響で1970年に解体されました。その後、1978年に国務院の組織として復活し、現在の国家民族事務委員会（略称：国家民委）となりました。

組織

中国の国家委員会は、縦割りの政府機関を超えた調整機能を持つ組織であり、委員会主任は閣僚クラスとして国務院全体会議にも出席します。

現在の主な幹部

陳小江（主任、漢族）
楊傳堂（党組書記、副主任、漢族）
楊健強（副主任、白族）
呉仕民（副主任、漢族）
杜鵑（紀検組組長、漢族）
辺巴扎西（副主任、蔵族）

委員会内部機構

委員会内部には、弁公庁をはじめ、政策法規司、経済発展司、文化宣伝司、教育科技司、国際司、企画財務司、人事司（機関党委員会）などの部門があります。また、委員会駐在の党規律検査組や監察局などの監督機関、退職幹部局、機関服務局、民族研究センター、情報センターも設置されています。

直属単位

少数民族幹部育成のための教育機関や、少数民族学生向けの総合大学が各地に設置されています。

中央民族幹部学院
中央民族大学（北京）
中南民族大学（武漢）
西南民族大学（成都）
大連民族大学（大連）
西北民族大学（蘭州）
北方民族大学（銀川）

また、以下の文化・研究機関も直属です。

中国民族語文翻訳センター
中央民族歌舞団
民族出版社
民族画報社
民族団結雑誌社
民族文化宮
中国民族博物館
全国少数民族古籍整理研究室
中国民族報社

地方組織

各省、自治区、直轄市には、地方民族事務委員会や民族宗教事務庁などの民族関連機関が設置されており、地方レベルでの民族政策を推進しています。

課題

中国には、内モンゴル自治区、広西チワン族自治区、西蔵自治区、寧夏回族自治区、新疆ウイグル自治区の5つの自治区があります。さらに、吉林省延辺朝鮮族自治州、湖北省恩施土家族苗族自治州など、30の自治州、そして多数の自治県や旗が存在します。国家民族事務委員会は、これらの民族自治区域の自治を保障することを重要な使命としています。

関連事項

中国の少数民族
民族区域自治
蒙蔵委員会
理藩院（理藩部）
土司
盟旗制
中央民族大学
中南民族大学
西南民族大学
大連民族大学
西北民族大学
北方民族大学

外部リンク

国家民族事務委員会公式サイト（中国語）
中国少数民族一覧（日本語）

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