国府台 (市川市)

国府台（こうのだい）

国府台は、千葉県市川市の北部に位置する地域で、一丁目から六丁目までの行政区画があります。古くは「鴻之台」とも記され、その名の通り、下総国の国府が置かれた歴史を持つ場所です。江戸川に沿った下総台地の高台に位置し、かつては国府、中世には国府台城が築かれるなど、重要な役割を果たしてきました。明治時代以降は、軍事施設が置かれた後、多くの学校が立地する文教地区へと変貌を遂げました。

地理

国府台は、市川市の北部に位置し、江戸川沿いの高台を中心とした地域です。地域の西端には江戸川が流れ、三丁目地内で坂川が合流しています。中央を千葉県道1号市川松戸線（松戸街道）が通り、交通の便も良いです。かつての国府台村は、現在の国府台二・三丁目の大部分と四丁目の一部でしたが、その後の町丁整理により、一丁目と五丁目は旧国分村、四丁目の大部分は旧市川村の範囲も含まれるようになりました。

主な施設

国府台には、多くの教育機関や医療機関、公園などの施設があります。一丁目には国府台公園、市川市民体育館、国立国際医療研究センター国府台病院、千葉商科大学があり、二丁目には市立第一中学校、県立国府台高等学校、筑波大学附属聴覚特別支援学校、東京医科歯科大学国府台キャンパス、和洋女子大学があります。また、三丁目には里見公園、五丁目には市立国府台小学校、六丁目には国際医療福祉大学市川病院、式場病院があります。

河川

江戸川: 地域の西端を流れ、東京都との境界になっています。
坂川: 地域の北西部を流れ、国府台三丁目で江戸川に合流します。

地価

2014年の公示地価によれば、国府台5-4-13の地点で1平方メートルあたり15万6,000円となっています。

歴史

国府台の地には、古くから人が住んでおり、北部には旧石器時代の丸山遺跡があります。弥生時代には、隣接する真間地区にもまたがる大規模な環濠集落が存在しました。古墳時代には、法皇塚古墳や明戸古墳など、多くの古墳が築かれました（国府台古墳群）。

下総国府

国府の中心施設である国庁の正確な位置は不明ですが、和洋女子大学キャンパス内の発掘調査で、国衙の周囲の溝と推測される跡が発見され、国府台地区に国府があったことが確実視されています。2023年の調査では、下総国の国衙跡に関連すると考えられる区画溝や掘立柱建物が見つかりました。地元研究者の間では、現在の市営野球場の位置にあったのではないかという推測も出ています。

中世

中世には、太田道灌が仮陣を置き、弟の太田資忠らが国府台城を築きました。その後、千葉氏の支配下に入りますが、戦国時代には里見氏や後北条氏などが介入し、二度にわたる国府台合戦が繰り広げられました。

近世

幕末には、江戸城を明け渡した旧幕府軍や新選組が一時集結し、その後、北関東や会津へ向かいました。

明治時代以降

明治時代には、国府台に「国府台大学校」の設置計画がありましたが、資金不足で実現しませんでした。その後、陸軍省が陸軍教導団を設置し、軍隊の町として発展しました。第二次世界大戦後、陸軍の解体に伴い、陸軍病院は国立国府台病院となり、現在では国立国際医療研究センター国府台病院となっています。陸軍の跡地には、多くの大学や学校が設置され、学園都市としての性格を持つようになりました。

沿革

弥生時代: 環濠集落が形成。
年月不明: 下総国府が置かれる。
1479年: 太田資忠らが国府台城を築城。
1869年: 葛飾県葛飾郡国府台村となる。
1871年: 印旛県葛飾郡国府台村となる。
1873年: 千葉県東[[葛飾郡]]国府台村となる。
1889年: 東[[葛飾郡]]市川町大字国府台となる。
1934年: 市制施行により、市川市国府台となる。
1951年: 市川市国府台町一丁目 - 三丁目を新設。
1966年: 住居表示施行により、市川市国府台一丁目 - 六丁目を新設。

地名の由来

地名の由来には、日本武尊が東夷征伐の帰路に、白鳥が浅瀬に降り立ったことから「鵠の台」と名付けたという伝説があります。現在の「国府台」という名称は、律令制のもとで下総国府が設置されたことに由来します。

小字

かつて、国府台には以下のような小字が存在しました。

国府台一丁目：(小字情報は省略)
国府台二丁目：(小字情報は省略)
国府台三丁目：(小字情報は省略)
国府台四丁目：(小字情報は省略)
国府台五丁目：(小字情報は省略)
国府台六丁目：(小字情報は省略)

主な施設

国府台は、散策地としても知られており、里見公園、じゅんさい池緑地、江戸川堤、矢切の渡しなどと合わせてウォーキングを楽しむことができます。特に、江戸川に面した斜面林は、多くの人に親しまれています。また、国府台北部には雑木林が残っており、市が保全に乗り出しています。里見公園には、明戸古墳の石棺や弘法大師ゆかりの「羅漢の井」、国府台合戦の伝説を秘めた「夜泣き石」、北原白秋の旧居「紫烟草舎」などがあります。旧陸軍の赤レンガ造りの倉庫（国府台旧陸軍赤レンガ武器庫）も残っており、保存運動が展開されています。さらに、精神病理学者式場隆三郎が創設した式場病院は、バラ園があることで有名です（現在、バラ園は非公開）。

公園・史跡

里見公園
国府台城
国府台公園

学校

国立

東京医科歯科大学 国府台キャンパス
筑波大学附属聴覚特別支援学校

公立

千葉県立国府台高等学校
市川市立第一中学校
市川市立国府台小学校

私立

千葉商科大学
和洋女子大学
和洋国府台女子中学校・高等学校

病院

国立国際医療研究センター国府台病院
式場病院
国際医療福祉大学市川病院

行事

毎年1月17日には、村の四隅に藁で作った大きな蛇を飾る「辻切り」という行事が残っています。この行事は室町時代から伝わるもので、市川市指定無形民俗文化財になっています。

世帯数と人口

2017年9月30日現在の世帯数と人口については省略します。

小・中学校の学区

市立小・中学校の学区については省略します。

交通

京成電鉄本線国府台駅が隣接する市川三丁目にあります。

国府台を舞台とする作品

作家の井上ひさしや水上勉の作品に国府台が登場します。また、里見公園の樹林は、テレビドラマや映画の撮影によく使われています。

月光仮面
矢車剣之助
恐怖のミイラ
少年探偵団
失楽園

脚注

(省略)

関連文献

(省略)

関連項目

国府台
国府台合戦
矢切
* 人間禅

外部リンク

(省略)

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