国鉄ト24000形貨車

国鉄ト24000形貨車について

国鉄ト24000形貨車は、1917年から1926年にかけて日本の鉄道省で製造された無蓋貨車であり、当初は2323両が製造され、最終的には6,993両に達しました。これらの車両は、主に日本車輌製造本店や鉄道院工場などで生産され、15トンを積載可能な二軸構造を持っていました。

車両の概要

ト24000形は、後に改良型としてトム5000形およびトム16000形に改称されることになります。製造当初のト24000からト29189までの車両は初期タイプとして分類され、それ以降の改良型は別の形式番号で呼ばれるようになりました。具体的には、ト29190から30697までが改良型として扱われました。車両の車体寸法は、全長7,830 mm、全幅2,452 mmであり、自重は7.6トンから7.9トンとしています。

荷台の内寸は、長さ6,930 mm、幅2,200 mm、側板高さ1,000 mm、妻板高さ1,280 mmであり、床面積は15.2 m²、容積は35.0 m³です。側板構造は、中央部に観音開き式の鋼製扉があり、両側は木製のあおり戸を備えた設計になっています。また、ト24000形とト21600形の間には、車軸の長さが異なるという大きな違いが存在しました。

1924年度以降に製造された車両では、あおり戸の上部が取り外し可能な構造となり、後の改番時にはトム16000形に改名されました。初期の連結器はねじ式だったが、1925年の改造により自動連結器が導入され、台枠の設計も一新されました。

改番後の状況

1928年に行われた称号規程改正により、既存のト24000形はトム5000形とトム16000形に分けられました。それらの多くは汎用の無蓋貨車として日本国内で幅広く使用されましたが、その特殊な側板構造が特定の貨物の取り扱いには不便であったため、以降の貨車はすべて異なる構造に改造されました。

1938年から1939年にかけては、陸軍の要請でトム5000形1,620両が中国へ送られ、後の消息は不明な状態です。これらの車両は標準軌や1,000 mm軌間に改軌された部分もありました。しかし、1960年代になるとトム5000形とトム16000形は徐々に淘汰が進み、1970年度にはトム5000形が姿を消し、書類上は1985年度まで在籍していました。

改造と使用

トフ250形やトフ300形の改造された車両がトム5000形に編入された際、これらの形式は形式消滅となりました。また、リ2500形という土運車がトム5000形やトム16000形から改造され、使用されました。その他にも、トム16000形は控車や長物車に改造されるなど、柔軟に運用されました。

譲渡事例

1948年から1952年の間、国鉄から私鉄への譲渡が多数ありました。譲渡先では荷役の便宜を図るため、主に改造や形式番号の変更が行われました。これにはトム5000形とトム16000形の大量譲渡が含まれます。これらの譲渡先では、新たに総あおり戸構造に改造されることが多く、その影響で次第に本来のト24000形とは異なる使用形態が見られるようになりました。

同型車について

国鉄ト24000形の同型車には、青梅電気鉄道ト121形や神中鉄道ト260形などがあり、これらはト24000形から改造や譲渡を受けた車両です。また、北海道拓殖鉄道のトム201形や西武鉄道のトム1001形なども存在し、各地で重要な役割を果たしました。これらの貨車は、いずれも日本の鉄道史における重要な存在であり、当時の輸送におけるニーズに応じて多様な形で活躍しました。

国鉄ト24000形貨車は、貨物輸送の一翼を担い、数十年にわたり日本の物流を支えた歴史的な貨車といえるでしょう。

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