国鉄山の家

国鉄山の家：鉄道と共に歩んだ旅の記憶

国鉄山の家は、かつて日本国有鉄道（国鉄）が運営していた宿泊施設です。その名の通り、山間部や自然豊かな場所に位置しているイメージがありますが、実は平地に建てられた施設も存在しました。国鉄を利用する旅行者にとって、手軽に利用できる宿泊施設として親しまれていました。

特徴

国鉄山の家の最大の特徴は、駅の窓口で予約ができたことです。乗車券のような体裁の宿泊券が発行され、鉄道での旅の計画と同時に宿泊先を確保できる利便性が魅力でした。また、比較的リーズナブルな価格で宿泊できたことも、多くの旅行者に利用された理由の一つでしょう。

主な施設（1978年10月現在）

以下は、1978年10月時点での国鉄山の家の一覧です。最寄り駅と共に紹介します。

ニセコ国鉄山の家（ニセコ駅）
シャレー涸沼（つりの家）（水戸駅）
親の原ロッヂ（白馬大池駅）
藪原山の家（藪原駅）
乗鞍山荘（高山駅）
みぼろ荘（美濃白鳥駅）
道後山国鉄山の家（備後落合駅）
大山国鉄山の家（米子駅）
志賀高原山の家（長野駅）
国鉄山の家六合山荘（長野原草津口駅）
国鉄吾妻山山の家（福島駅）
国鉄奥手稲山の家（銭函駅）
国鉄上の原山の家（水上駅）

これらの施設は、それぞれの地域の観光拠点として、多くの旅行者に利用されていました。

国鉄分割民営化とその後

1987年の国鉄分割民営化に伴い、国鉄山の家の経営はJR各社に引き継がれました。しかし、時代の流れとともに、その多くは閉鎖されていきました。2017年現在、国鉄が運営していた当時の施設はほとんど残っていません。

しかし、一部の施設は地元の民間事業者に引き継がれ、新たな形で営業を続けています。当時の面影を残しつつ、現代のニーズに合わせたサービスを提供することで、再び多くの人々に利用されています。

現在も営業を続ける主な施設

大山山の家シーハイル（元大山国鉄山の家）
山の家施設管理組合（元道後山国鉄山の家）
志賀高原ロッヂ（元国鉄志賀高原山の家）
お宿 花まめ（元国鉄山の家六合山荘）
吾妻小舎（元国鉄吾妻山山の家）
北海道大学ワンダーフォーゲル部奥手稲山の家（元国鉄奥手稲山の家）
ロッヂ上の原山の家（元国鉄上の原山の家）
* やぶはら高原山の家（元藪原山の家）

これらの施設は、今もなお、その土地の自然や文化に触れられる場所として、多くの旅行者を魅了しています。

国鉄山の家は、鉄道と共にあった日本の旅の歴史を物語る、貴重な存在と言えるでしょう。その記憶は、今もなお、人々の心の中に生き続けています。

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