国鉄1180形蒸気機関車

1180形タンク式蒸気機関車の概要

1180形は、日本国有鉄道の前身である鉄道作業局と鉄道院に在籍したタンク式蒸気機関車です。この形式は、1900年9月にアメリカのボールドウィン・ロコモティブ・ワークスで製造された車両で、車軸配置は0-6-0(C)形、動力は2気筒の飽和式タンク機関車となっています。1180形は、高野鉄道に由来し、その後紀和鉄道や北海道鉄道に譲渡された経歴を持っています。

高野鉄道の活躍

高野鉄道では、1180形は製造番号順に6と7と称され、1901年にそれぞれ紀和鉄道と北海道鉄道に譲渡されました。紀和鉄道に移った6は後にB2形「隼」86と改称され、北海道鉄道の7はA1形(1)として扱われました。両者は1906年、鉄道国有法により国有化され、1180形として改番されました。

廃車とその後

1180形は、1180が1913年、1181が1916年に廃車となり、その後民間に払い下げられました。1180は養老鉄道に引き取られ、「6」として運用されました。その後、常総鉄道への貸し出しを経て、防石鉄道に譲渡され、現地でも「6」として活躍しました。最終的には浅野製鉄に譲渡され、1955年まで使用されました。1181は、日本製鋼所に譲渡後、北海道の各炭鉱専用鉄道で使用され、1951年に廃車となりました。

主要諸元

1180形の主要諸元は以下の通りです：

• - 全長: 8,814mm
• - 全高: 3,708mm
• - 軌間: 1,067mm
• - 車軸配置: 0-6-0(C)
• - 動輪直径: 914mm
• - ボイラー圧力: 12.0kg/cm²
• - 燃料積載量: 1.05t

1370形について

同じくボールドウィン製である1370形は、1902年に紀和鉄道が増備した車両で、1180形とは動輪径の違いがあります。1370形は、北海道での運用を経て国有化後、国鉄の1380形として改番されましたが、1948年に廃車となりました。

歴史的な意義

1180形と1370形は、日本の蒸気機関車の歴史において重要な位置を占めており、その小型でありながら効率的な設計は地方私鉄や産業用に適していました。これらの機関車は、当時の日本の鉄道発展に寄与し、数多くの譲渡と改造を経ながらも長い間運用され続けました。

参考文献

• - 臼井茂信「日本蒸気機関車形式図集成」1969年
• - 臼井茂信「機関車の系譜図 1」1972年
• - 金田茂裕「日本蒸気機関車史 私設鉄道編 I」1978年
• - 金田茂裕「形式別 国鉄の蒸気機関車」1984年

このように1180形は、時代を超えて多くの人に親しまれ、多くの役割を果たした歴史的な機関車の一つです。

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