国鉄3255形蒸気機関車

3255形蒸気機関車について

3255形は、日本国有鉄道の前身である鉄道省及び運輸省に存在したタンク式蒸気機関車です。この機関車は、1926年に南武鉄道により汽車製造で1両が製造されました。車軸配置は2-6-2（1C1）で、単式2気筒の飽和式サイドタンク機関車として設計されています。1944年に戦時の資材不足により買収され、鉄道省籍となりました。南武鉄道では「2」として識別され、主に貨物輸送に活躍していましたが、国有化後には仮番号131が付され、最終的には3255形（3255）に改番されました。

この機関車は、国有化後あまり使用されることがなく、1948年に廃車となりました。特徴的なのは、同じく汽車製造で作られた1355形（相模鉄道に転用）との寸法が共通している点です。動輪直径が51mm拡大されていることも特筆すべきで、軽量化や走行の安定性が図られています。また、先輪と従輪が追加されており、これによって走行性能が向上しました。サイドタンクの仕上げには平皿鋲が使われており、当時の職人技が感じられます。

また、同じく南武鉄道の系譜を持つ神中鉄道の3形に関しても関係があります。これらは製造番号が884、885と連続しており、彼らの運命については相模鉄道の蒸気機関車3形を参照することができます。

3255形の主要諸元

• - 全長: 8,822 mm
• - 全高: 3,581 mm
• - 全幅: 2,692 mm
• - 軌間: 1,067 mm
• - 車軸配置: 2-6-2 (1C1)
• - 動輪直径: 1,016 mm
• - 弁装置: ワルシャート式
• - シリンダー: 356 mm × 508 mm
• - ボイラー圧力: 12.7 kg/cm²
• - 火格子面積: 0.98 m²
• - 全伝熱面積: 62.5 m²
• - 煙管蒸発伝熱面積: 58.2 m²
• - 火室蒸発伝熱面積: 4.3 m²
• - 小煙管: 44.5 mm × 3,277 mm × 128本
• - 機関車運転整備重量: 35.56 t
• - 機関車空車重量: 27.10 t
• - 機関車動輪上重量（運転整備時）: 27.43 t
• - 機関車動輪軸重（各軸均等）: 9.14 t
• - 水タンク容量: 4.98 m³
• - 燃料積載量: 1.27 t

機関車の性能

• - シリンダ引張力: 6,840 kg
• - ブレーキ装置: 手ブレーキ、蒸気ブレーキ

このように、3255形はその背後に長い歴史と技術革新がある機関車であり、蒸気機関車の中でも特に興味深い存在の一つです。今もなお、鉄道ファンや歴史愛好家の間で語り継がれています。3255形の設計や運用に関する情報は、鉄道史や工業技術の理解を深めるためにも貴重な手がかりとなるでしょう。

参考文献

• - 臼井茂信「国鉄蒸気機関車小史」1956年、鉄道図書刊行会
• - 臼井茂信「日本蒸気機関車形式図集成 1」1968年、誠文堂新光社
• - 金田茂裕「形式別 国鉄の蒸気機関車 II」1985年、エリエイ出版部（プレス・アイゼンバーン）

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