国鉄3950形蒸気機関車

3950形蒸気機関車

概要

3950形は、かつて日本国有鉄道（国鉄）の前身である鉄道作業局に所属していた特異なアプト式蒸気機関車です。この機関車はイギリスから輸入され、急勾配の碓氷峠に対応するために設計されました。また、同系列である3980形についても触れていきます。

3950形の特徴

3950形は、主に信越線の横川駅から軽井沢駅にかけて存在する急勾配（最大66.7パーミル）に挑むため、ラック式鉄道（アプト式）向けに改良されたタンク機関車です。イギリスのベイヤー・ピーコック社によって製造されたこの機関車は、1898年から1908年にかけて合計10両が輸入されました。機関車の番号は鉄道作業局にてC3形として付番され、増備車両の中には特異な設計によるものがいくつか存在します。

製造と改番

1898年に4両（506-509）、1901年に2両（510, 511）、そして1908年にさらに4両（496-499）が製造されました。しかし、増備車の番号は、他の機関車がすでに占有していたため、再利用されたものもありました。特に1908年製造の車両は、変更された番号を持つことになりました。

機関車の性能と設計

3950形の設計は、基本的にC2形に類似していますが、運転台の背面に水タンクを増設したため、全体的に大型化しています。従輪が1軸増え、車軸配置は2-6-2（1C1）に変更されています。また、反圧ブレーキが装備されていますが、他の特殊な設備は採用されていませんでした。

最初の配置は横川と軽井沢で、こちらでの運用を前提にしていました。1901年には煙害対策として燃料が重油に切り替えられ、重油タンクがボイラー上に設置されました。

時代の変化と廃車

1909年に制定された鉄道院の車両称号規程により、3950形という正式名称が付与され、当初の番号は3950 - 3959に改番されました。この区間では沿線に煙の影響が大きく、1912年には電化が進められました。電化後は一時的に蒸気機関車も使用されましたが、その信頼性の問題から次第に使用されなくなり、1921年に全車廃車となりました。その中で3941号は保存されるも、関東大震災で焼失しています。

3980形の概要

3950形の増備として日本国内で製造された3980形は、1906年から1909年にかけて6両が築かれました。基本的な設計は3950形と同様ですが、ボイラーが水平になるよう傾斜が付けられた特徴を持っています。主に横川と軽井沢で使用されていましたが、1912年の電化以降、一部の車両は他の路線への転用が進められました。

製造背景と問題点

製造が遅延した原因には、日露戦争の緊張状態が背景にあり、急遽ノールを有効活用するために国産化が図られました。しかし、新たに発足した汽車製造社にとっては、蒸気機関車の製造は困難を極め、結果として延滞償金が発生する結果になりました。完成間際には技術力の向上にもつながったと評価されていますが、数年後にはほとんど全車両が廃車・解体され、保存されたものはありません。

主な性能データ

3950形：

• - 全長：9,804mm
• - 車軸配置：2-6-2（1C1）
• - 動輪直径：914mm

3980形：

• - 全長：9,931mm
• - 車軸配置：2-6-2（1C1）
• - 動輪直径：914mm

結論

3950形及び3980形は、日本鉄道の初期における重要な機関車であり、それぞれの機能や時代背景を持った代表的な存在です。2670年代の煙害問題など、当時の社会的な問題を反映しつつ、技術の進歩が求められる時代に生きたこれらの蒸気機関車の歴史は、鉄道ファンにとっても重要な学びの場となっています。

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