國語と國文學

「國語と國文學」は、東京大学国語国文学会が編集・発行する学術雑誌です。1924年（大正13年）の創刊以来、日本の国語国文学研究を牽引する存在として、長きにわたってその歴史を刻んできました。2024年には創刊100周年という節目を迎え、日本の学術界におけるその存在感を改めて示しました。

本誌は、年12回発行され、通常号と特集号で構成されています。通常号は1、2、4、5、6、8、9、10、12月号の9回、特集号は3、7、11月号の3回発行されます。それぞれの号には、日本語学や日本文学に関する多岐にわたる研究論文が掲載され、日本の言語文化研究の最先端を反映した内容となっています。

『國語と國文學』の特徴は、東京大学関係者だけでなく、全国の日本語学・日本文学研究者からの投稿論文を広く掲載している点にあります。そのため、若手研究者からベテラン研究者まで、多くの研究者が自身の研究成果を発表する場として利用しており、いわば日本の国語国文学研究における登竜門的な役割を果たしています。掲載される論文の質の高さと、研究者層の広さから、本誌は国内外の研究者から高い評価を得ています。

編集には、常に第一線で活躍する研究者たちが携わっており、その編集委員の顔ぶれも本誌の権威を示すものです。過去には、秋山虔、市古貞次、久保田淳、時枝誠記、久松潜一、藤村作、松村明、三好行雄といった、日本を代表する国語国文学研究者たちが編集代表を務めてきました。彼らの指導の下、本誌は常に質の高い学術誌として発展を続けてきました。

発行元は、創刊当初は至文堂でしたが、その後、2009年からはぎょうせい、2012年1月号からは明治書院が引き継ぎました。そして、2023年11月号からは、筑摩書房が新たな発行元となっています。発行元の変遷はありましたが、『國語と國文學』が日本の国語国文学研究に貢献してきた歴史は揺るぎないものです。

今後も、『國語と國文學』は、時代の変化に合わせて内容を充実させながら、日本の国語国文学研究の発展に貢献し続けることでしょう。創刊100周年を機に、新たな百年への歩みをスタートさせた本誌の今後の活躍に期待がかかります。

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