園基任

園基任（その もとただ/もととう）は、安土桃山時代から江戸時代初期にかけての公卿で、園家12代当主です。左近衛中将・園基継の子として生まれ、後光明天皇の外祖父にあたります。

略歴

天正12年（1584年）に叙爵し、公卿としての道を歩み始めます。侍従、左近衛少将、左近衛中将、蔵人頭と順調に昇進を重ね、慶長17年（1612年）には参議となり、ついに公卿の列に加わりました。しかし、その翌年に41歳という若さで薨去しています。

基任の長女である光子は、後水尾天皇の後宮に入り、皇子を出産。この皇子が後の後光明天皇として即位します。これにより、基任は天皇の外戚となり、後光明天皇の即位後の正保2年（1645年）には左大臣を追贈されました。

後光明天皇が若くして崩御した後も、園家の繁栄は続きます。基任の孫娘（基任の子・基音の娘）である国子（新広義門院）が、後水尾天皇の典侍として召され、皇子を産みました。この皇子が、後の霊元天皇として即位します。このように、基任の血筋から二代続けて天皇の生母が輩出されたことで、園家は以降、大いに繁栄することとなりました。

系譜

父：園基継 - 左近衛中将。
子：
男子：園基音 - 権大納言、薨去後左大臣追贈。
男子：東園基教 - 左近衛権中将。
女子：園光子 - 壬生院、後水尾天皇典侍。後光明天皇生母。
女子：柳原茂光（権大納言）の室
* 女子：文英尼 - 京極忠高継室、圓通寺開基。


園基任は、自身は早くに亡くなりましたが、その血筋を通じて二人の天皇を輩出し、園家の隆盛の礎を築いた人物として、歴史に名を残しています。彼の功績は、単に高位に上り詰めただけでなく、皇室との繋がりを深め、家格を高めたことにあります。その意味において、園基任は、安土桃山時代から江戸時代初期にかけての公家社会において、重要な役割を果たした人物と言えるでしょう。

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