園田実

園田実

園田実（そのだ みのる、1884年4月4日 - 1937年10月8日）は、日本の海軍軍人。最終階級は海軍少将。男爵。

経歴

東京出身。男爵・園田安賢の二男として生まれ、日本の海軍において重要な役割を果たしました。

1906年11月、海軍兵学校（34期）を優等で卒業。翌1907年12月に海軍少尉に任官されました。その後、海軍砲術学校高等科学生、海軍大学校乙種学生として学び、戦艦「摂津」分隊長、軍令部出仕、練習艦隊参謀、戦艦「比叡」分隊長などを歴任し、着実にキャリアを重ねていきました。1918年11月には、海軍大学校（甲種16期）を卒業しています。

海軍大学校卒業後は、軍令部参謀、兼海大教官、兼海軍教育本部員（第二部）を兼務。1921年4月には、英国大使館附武官補佐官としてロンドンに赴任し、1923年6月までヨーロッパの地で過ごしました。

1923年10月に帰国し、軍令部出仕となります。1924年2月には巡洋艦「平戸」副長に就任。再び軍令部出仕を経て、海軍大学校教官に異動しました。1925年1月31日、父・園田安賢の死去に伴い、男爵を襲爵しています。

1926年12月、海軍大佐に昇進。その後、軍令部出仕、軍令部参謀（第3班第6課長）を経て、1929年12月には軽巡洋艦「北上」艦長に就任しました。1930年10月20日、特別大演習における夜間演習において、軽巡洋艦「阿武隈」が「北上」の左舷中央部に衝突するという事故が発生し、「北上」は損傷を受けています。同年12月、横須賀鎮守府付に異動。

1931年2月、戦艦「榛名」艦長に就任。軍令部出仕を経て、1932年3月には戦艦「長門」艦長となりました。同年12月、海軍少将に進級し、海軍大学校教頭に異動。1933年11月には横須賀鎮守府参謀長、さらに1934年9月には海軍省教育局長に着任しました。1935年3月、軍令部出仕となり、待命を経て1936年7月、予備役に編入。翌1937年10月8日に亡くなりました。

年譜

1906年（明治39年）11月 - 海軍兵学校卒業（34期）
1907年（明治40年）12月 - 海軍少尉任官
1918年（大正7年）11月 - 海軍大学校卒業（甲種16期）
1925年（大正14年）1月31日 - 男爵位を襲爵
1926年（大正15年）12月 - 海軍大佐に昇進
1932年（昭和7年）12月1日 - 海軍少将及び海軍大学校教頭
1933年（昭和8年）11月15日 - 横須賀鎮守府参謀長
1934年（昭和9年）9月20日 - 海軍省教育局長
1935年（昭和10年）3月15日 - 軍令部出仕
1937年（昭和12年）10月8日 - 歿

艦長歴: 北上、榛名、長門

親族

園田実は、多くの親族に恵まれました。

父：園田安賢（1850年生）- 警視総監、北海道庁長官、男爵。
妻：園田八千代（1891年生）- 東郷平八郎の二女。
姉：タツ（1880年生）- 初代小樽区長金子元三郎に嫁ぐ。
弟：滋（1887年生）- 叔父・園田雄吉の妻・ヒナの養子となる。
弟：進（1889年生）- 農学士。熊本県、水田家の養子となる。
妹：冨美子（1899年生）- 第一ホテル創業者土屋計左右に嫁ぐ。
長男：園田耠一（1919年生）- 大阪商船に勤め、1945年3月にせつ子と入籍。
次男：園田忠男（1921年生）- 1945年8月15日に特攻隊隊長として出撃予定であったが玉音放送により中止に。17日朝に自決。
三男：園田信男（1925年生）

脚注

参考文献

海軍歴史保存会編『日本海軍史』第10巻、発売:第一法規出版、1995年。
秦郁彦編『日本陸海軍総合事典』第2版、東京大学出版会、2005年。
外山操編『陸海軍将官人事総覧 海軍篇』芙蓉書房出版、1981年。
福川秀樹『日本海軍将官辞典』芙蓉書房出版、2000年。
千田稔『華族総覧』講談社〈講談社現代新書〉、2009年。
* 福川秀樹『日本陸海軍人名辞典』芙蓉書房出版、1999年。

もう一度検索