海軍教育本部

海軍教育本部について

海軍教育本部（かいぐんきょういくほんぶ）は、旧日本海軍において、海軍省の外局として設置された組織です。その主な任務は、海軍における教育の統一的な運用と、その質の向上を図ることでした。1900年（明治33年）に設立されてから1923年（大正12年）に廃止されるまでの間、日本の海軍教育の中核を担いました。

沿革

海軍教育本部は、1900年5月20日に海軍教育本部条例（明治33年5月19日勅令第195号）に基づき、東京に設置されました。本部長は海軍大臣の指揮下に入り、海軍教育に関する一切の責任を負っていました。設立当初は、海軍大学校、海軍兵学校、海軍機関学校といった主要な教育機関を管轄し、海軍将校の育成に大きく貢献しました。

しかし、1922年に締結されたワシントン海軍軍縮条約によって、日本海軍は規模の縮小を余儀なくされました。それに伴い、1923年4月1日、海軍教育本部は廃止され、その業務は新たに設置された海軍省教育局に引き継がれることとなりました。これにより、海軍教育本部は、約23年間の歴史に幕を閉じました。

年譜

1900年5月20日: 海軍教育本部が設置され、海軍大学校、海軍兵学校、海軍機関学校、砲術練習所、水雷術練習所、機関術練習所を管轄下におきました。
1907年9月23日: 練習所から改編・新設された海軍砲術学校、海軍水雷学校、海軍工機学校が管轄下に加わりました。
1914年5月: 運用術練習艦が横須賀鎮守府司令長官の指揮下となりました。
1918年8月15日: 海軍経理学校、海軍軍医学校が管轄下に加わりました。
1923年4月1日: 海軍教育本部が廃止され、同日、海軍省教育局が設置されました。

歴代本部長

海軍教育本部の歴代本部長は以下の通りです。

諸岡頼之 少将：1900年5月20日 -
松永雄樹 少将：1901年7月3日 -
上村彦之丞 中将：1903年9月5日 -
有馬新一 中将：1903年10月27日 -
（兼）斎藤実 中将：1905年2月7日 -
三須宗太郎 中将：1905年11月7日 -
（兼）坂本俊篤 中将：1906年2月2日 -
出羽重遠 中将：1906年11月22日 - 1908年5月26日
有馬新一 中将：1908年5月26日 - 8月28日
坂本俊篤 中将：1908年8月28日 - 1912年12月1日
吉松茂太郎 中将：1912年12月1日 - 1914年3月25日
島村速雄 中将：1914年3月25日 - 1914年4月22日
名和又八郎 中将：1914年4月22日 - 1915年2月5日
加藤定吉 中将：1915年2月5日 - 1916年12月1日
有馬良橘 中将：1916年12月1日 - 1917年4月6日
村上格一 中将：1917年4月6日 -
有馬良橘 大将：1919年12月1日 -
野間口兼雄 大将：1920年12月1日 - 1923年4月1日

参考文献

小池猪一編著『図説総覧海軍史事典』国書刊行会、1985年。
海軍歴史保存会編『日本海軍史』第5巻、発売:第一法規出版、1995年。
秦郁彦編『日本陸海軍総合事典』第2版、東京大学出版会、2005年。

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