園部和一郎

園部和一郎（そのべ わいちろう）は、1883年（明治16年）3月29日に生まれ、1963年（昭和38年）3月18日に亡くなった、日本陸軍の軍人です。最終階級は陸軍中将。熊本県出身で、旧姓は森でした。園部交雅の養子となり、園部姓を名乗るようになりました。

軍歴

園部は、熊本陸軍地方幼年学校、中央幼年学校を経て、1904年（明治37年）10月に陸軍士官学校（16期）を卒業しました。同期には、岡村寧次、土肥原賢二、板垣征四郎、安藤利吉など、後に陸軍で重要な役割を果たす人物が多数いました。同年11月、歩兵少尉に任官し、歩兵第23連隊に配属されました。

1913年（大正2年）11月には、陸軍大学校（25期）を優等で卒業し、その後、歩兵第23連隊中隊長、教育総監部課員、フランス駐在、フランス軍従軍、歩兵第30連隊付、欧州出張などを経験しました。これらの経験を通じて、園部は軍事に関する深い知識と国際的な視野を養いました。

その後、教育総監部課員、参謀本部員、国際連盟陸軍代表随員などを歴任し、1932年（昭和7年）8月には陸軍少将に進級し、歩兵第8旅団長に就任しました。さらに、歩兵第1旅団長、陸軍歩兵学校幹事、同校長を経て、1936年（昭和11年）4月に陸軍中将に昇進しました。その後、第1独立守備隊司令官、第7師団長、中部防衛司令官を歴任し、着実にキャリアを積み重ねていきました。

1940年（昭和15年）3月には、岡村寧次中将の後任として第11軍司令官に就任しました。第11軍司令官時代には、宜昌作戦を遂行し、宜昌を占領しました。しかし、1941年（昭和16年）4月10日には軍事参議官となり、同年6月には予備役に編入されました。大戦末期の1945年（昭和20年）3月には召集を受け、留守第6師団司令部付、久留米師管区司令官を務めましたが、同年12月に召集解除となりました。

戦後

1947年（昭和22年）11月28日には、公職追放仮指定を受けました。園部は、軍人としてその生涯を軍事作戦に捧げ、日中戦争など激戦地での指揮を執りました。戦後は、公職追放されるという、激動の時代を生き抜いた人物でした。

栄典

位階
1904年（明治37年）12月8日 - 正八位
1938年（昭和13年）6月15日 - 正四位

勲章等
1940年（昭和15年）8月15日 - 紀元二千六百年祝典記念章

親族

兄に森幹一がいます。

参考資料

秦郁彦編『日本陸海軍総合事典』第2版、東京大学出版会、2005年。
福川秀樹『日本陸軍将官辞典』芙蓉書房出版、2001年。
外山操編『陸海軍将官人事総覧 陸軍篇』芙蓉書房出版、1981年。

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