土州山役太郎

土州山役太郎：大相撲の名力士

土州山役太郎（どしゅうざん やくたろう）は、1888年10月5日に高知県香美郡赤岡町、現在の香南市に生まれた大相撲力士です。彼の本名は永森役太郎で、旧姓は岡本です。身長164cm、体重94kgという体格で、友綱部屋に所属していました。彼は、相撲界で数々の功績を残し、最高位は前頭筆頭に達しました。

取り口と戦績

土州山は、主に左四つを得意とし、寄りや掬い投げ、波離間投げなど多彩な技を駆使して相手を翻弄しました。1907年の1月場所に幕下付出で初土俵を踏み、その年の内に新十両に昇進。1910年の1月場所では新入幕を果たし、相撲界に名を轟かせました。彼の取り口は非常に際立っており、特に二字口から相手に仕切りの間で攻め入るスタイルが特徴でした。

1911年2月場所では、常陸山との対戦がありました。この試合で敗れましたが、互角に渡り合い、多くの秘術を使って相手を苦しめました。土州山の取り組みは力強さと技術を兼ね備えており、多くのファンを魅了しました。

彼の主な戦績は、幕内在位が24場所、幕内通算成績は76勝114敗1分10預39休というもので、勝率は.400です。この数字は相撲界でも一定の評価を受けており、彼の技術が発揮された数々の取り組みを物語っています。

引退後の活動

1921年5月場所をもって引退した後、彼は年寄二子山を襲名。引退後は、5代目二所ノ関を支え、勝負検査役を務め、1947年まで二子山部屋を運営しました。土州山は自らの経験を生かし、後輩の土州山好一郎を幕内力士へと育て上げるなど、相撲界での後進の指導に尽力しました。

彼の豊かな経験と知識は、弟子や若手力士たちにとって貴重なものであり、土州山自身もその成長を見守ることで大きな喜びを感じていたことでしょう。また、土州山は相撲界だけに留まらず、呉服橋で「料亭永森」を経営し、生活の一部として地域にも貢献していました。

最晩年

残念ながら、1960年3月26日に71歳でこの世を去りました。土州山役太郎は、1961年に導入予定だった年寄定年制の対象でもありましたが、彼がこの制度の適用を受けることなく、力士としての生涯を全うしたことは、多くのファンや後輩たちの心に深く刻まれています。

土州山役太郎の名は、今でも大相撲界の歴史に燦然と輝き続けており、彼の業績と思い出は後世に引き継がれていくことでしょう。

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