地方図

地方図とは

地方図は、国土地理院が発行する縮尺50万分の1の地図で、交通網、集落、水系、地形等の地域概要を把握するのに役立ちます。これにより、広域にわたる地域計画、教育、観光など多様な用途に利用されています。この地図は、一般図として統一された形式で提供されています。

歴史的背景

地方図の作成は、国土地理院の前身である陸地測量部が関与しており、初めての製作は大正8年（1919年）にさかのぼります。当時は「輿地図」という名称で知られていました。この地図は、50万分の1という大きな縮尺で、全国および朝鮮や台湾を含む地域の地図が20年間で64面作成されました。経度差2度30分、緯度差1度40分の経緯線で区画された切図方式が取り入れられ、柾判（460mm × 580mm）という規格も確立され、多数の地図が作成されました。途中、昭和17年（1942年）には「帝国図」と改称されました。

第二次世界大戦後、広域図としての50万分図の重要性が改めて認識され、名称変更や規格見直しが行われました。輿地図から地方図に改名され、切図方式から地域別ブロック形式に移行。さらに、昔の柾判から大きな四六判（788mm × 1091mm）に規格が変更され、昭和22年（1947年）から新たに作成が始まったのです。この時、日本全体が7地域8面で表現され、離島は除外されました。

1953年（昭和28年）からは、地方図の第2回修正編集が行われました。この編集により、四六判の形式が統一され、1958年（昭和33年）までに全国の8面が完成。使用された資料としては20万分の1の暫定図と5万分の1の地形図が含まれました。この後も、1966年（昭和41年）から第3回改編集が実施され、地図は全国および地方別の行政計画や地理教育に利用される一般図としての性格を強化しました。

最近では、小笠原や南西、歯舞等の諸島の図も整備され、日本全域が8面でカバーされています。

50万分の1地方図の主な内容

地方図には、様々な交通網が示されており、具体的には高速自動車国道や一般国道、主要地方道、鉄道（新幹線やJR線）などがあります。また、都市は行政区分に基づいて記号化され、人口に応じた注記のサイズで区分されています。

地形は、等高線や等深線を用いて描かれており、山の高さや海の深さは、段彩された7色刷と、段彩がない4色刷の2種類で提供されています。地図の投影方法はランベルト正角円錐法を採用しており、地形の歪みを抑えつつ見ることができます。

関連情報

地方図に関連するものとして、地形図や地勢図が挙げられます。興味のある方は、国土地理院の公式サイトも参照してみてください。例えば、「50万分の1地方図」の情報は、2025年7月22日にアクセス可能です。

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