地方環境事務所

地方環境事務所について

地方環境事務所は、環境省の地方支分部局として、2005年（平成17年）に全国7箇所に設置されました。その後、2017年（平成29年）には福島環境再生事務所が格上げされ、現在は全国8箇所となっています。これらの事務所は、自然保護事務所と地方環境対策調査官事務所の機能を統合し、環境大臣から委任された法令権限や予算執行権限を持つ、より強力な組織として活動しています。

主な職務

地方環境事務所は、以下のような多岐にわたる職務を担っています。

公害対策: 公害防止計画の策定、環境基準の設定、公害規制、健康被害の補償など、公害問題全般に対応します。
自然環境保護: 自然環境の保全、自然公園の保護・整備、野生動植物の保護、生物多様性の確保など、豊かな自然を守るための活動を行います。
廃棄物対策: 廃棄物の排出抑制、適正な処理、リサイクル促進など、循環型社会の形成を目指します。
化学物質対策: 化学物質の審査、製造・輸入・使用規制、環境への排出量の把握など、化学物質による環境汚染を防ぎます。
地球温暖化対策: 温室効果ガス排出抑制、オゾン層保護など、地球温暖化問題への対策に取り組みます。
その他: 放射性物質による汚染対策、石綿による健康被害の救済、環境影響評価など、幅広い分野で環境保全に関する業務を行っています。

組織

地方環境事務所の組織は、福島地方環境事務所を除き、以下のようになっています。

所長: 事務所全体の指揮・監督を行います。
保全統括官: 所長の補佐や、自然環境保護に関する業務を統括します。
総務課: 事務所の運営全般を担い、人事、会計、文書管理などを行います。
資源循環課: 廃棄物対策、リサイクル促進など、資源循環に関する業務を行います。
環境対策課: 公害対策、地球温暖化対策、環境教育など、環境保全に関する幅広い業務を行います。
放射能汚染対策課（関東のみ）: 放射性物質汚染への対処を行います。
国立公園課: 国立公園の保護・整備、自然環境保全地域に関する業務を行います。
野生生物課: 希少野生動植物の保護、外来生物対策など、野生生物に関する業務を行います。
自然環境整備課: 自然環境の保護、国立公園の施設整備に関する業務を行います。

これらの課の他に、専門的な知識や経験を持つ以下の職員が配置されています。

統括自然保護企画官: 自然環境の保護・整備に関する企画・立案を行います。
国立公園調整官: 国立公園の保護・整備に関する企画・立案、各担当官の職務を統括します。
自然再生企画官: 自然再生の推進に関する企画・立案・調整を行います。
生物多様性保全企画官: 生物多様性の確保に関する企画・立案・調整を行います。
動物愛護専門官（関東、中部、近畿のみ）: 動物愛護に関する専門的な業務を行います。
国立公園企画官（北海道、中部、九州のみ）: 国立公園課の所掌事務に関する企画・立案・調整を行います。
野生生物企画官（北海道、中部、九州のみ）: 野生生物課の所掌事務に関する企画・立案・調整を行います。
自然環境整備企画官（北海道、中部、九州のみ）: 自然環境整備課の所掌事務に関する企画・立案・調整を行います。
世界自然遺産専門官（北海道、東北、関東、九州のみ）: 世界自然遺産の保護・保存・整備に関する専門的な業務を行います。
国立公園保護管理企画官: 国立公園の保護・整備に関する企画・立案・調整を行います。
国立公園利用企画官: 国立公園の保護・整備（地域の魅力増進）、事業振興に関する企画・立案・調整を行います。
外客受入施設専門官（中国四国、九州のみ）: 国立公園の保護・整備に関する施設の整備を行います。
世界自然遺産調整専門官（関東、九州のみ）: 世界自然遺産の保護・保存・整備に関する専門的な業務を行います。
離島希少種保全専門官（関東、九州のみ）: 離島における希少野生動植物の種の保存に関する専門的な業務を行います。
利用拠点再生専門官（北海道、東北のみ）: 国立公園の利用拠点となる老朽施設の撤去や景観再生計画策定を行います。
用地保全専門官（九州のみ）: 国立公園の用地保全に関する専門的な業務を行います。
滞在環境整備専門官（北海道、東北、関東、中部、九州のみ）: 国立公園における来訪者や滞在者の利便性向上に寄与する施設整備を行います。
首席自然保護官（東北、関東、九州のみ）: 国立公園課、野生生物課、自然環境整備課の業務の一部を処理し、自然保護官を指揮監督します。
自然保護官: 国立公園課、野生生物課、自然環境整備課の業務の一部を処理します。
国立公園管理官: 自然環境の保護・整備に関する事務を行います。

また、下位組織として、12箇所の担当官を配置する事務所や、71箇所の自然保護官事務所が設置されています。

管轄区域

地方環境事務所の管轄区域は、各事務所の管内事務所欄に記載されています。ただし、一部の国立公園や国指定鳥獣保護区については、特例として本来の管轄地域以外の事務所が管轄する場合もあります。

関連情報

[環境省]]: [https://www.env.go.jp/
地方支分部局: 環境省の地方組織。

脚注・出典

環境省の公式サイト等を参照。

外部リンク

地方環境事務所: 環境省の地方環境事務所一覧
[北海道地方環境事務所]]: [北海道地方環境事務所
東北地方環境事務所: 東北地方環境事務所
関東地方環境事務所: 関東地方環境事務所
[中部地方環境事務所]]: [中部地方環境事務所
近畿地方環境事務所: 近畿地方環境事務所
[中国四国地方環境事務所]]: [中国四国地方環境事務所
[九州地方環境事務所]]: [九州地方環境事務所

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