坪尻駅

坪尻駅について

坪尻駅（つぼじりえき）は、徳島県三好市池田町西山に位置する四国旅客鉄道（JR四国）土讃線の駅です。この駅は、標高272メートルの山間にありアクセスが非常に難しいため、「秘境駅」として有名です。駅は阿讃山地の谷あいにあり、周囲に集落は存在するものの、駅へ通じる車道は整備されていません。そのため、徒歩でのアプローチが必須です。

駅の特徴

坪尻駅はスイッチバック方式を採用しています。これは、勾配が急であるため、列車が駅を通過した後、いったん後退しなければならないためです。日々の運行は自体は限定されており、下り3本、上り4本の定期列車だけが停車し、終列車は日没前に発車します。これにより、利用者は非常に少なく、2024年3月時点での利用者は極めて限られています。

近年の歴史

初めの設置は1929年（昭和4年）で、信号場から駅に昇格したのは1950年（昭和25年）のことです。その後、1970年には無人駅となり、以降、貨物取り扱いが廃止されるなど、様々な変遷を経験しています。2010年には60周年を祝うイベントも開催され、2017年からは観光特急列車の停車も始まりました。

駅の構造

坪尻駅は単式ホーム1面1線のみを有し、阿波池田駅が管理しています。ホームの長さは2両分のみで、待合室には運行時刻表や駅スタンプがあります。しかし、駅内のトイレは現在閉鎖されています。運転士は進行方向を変更する際、必ず運転台に移動する必要があります。そのため、一部の列車ではバックでの進入が求められることもあります。

利用状況と周辺環境

2019年度の1日平均乗降人員はわずか2人で、かつては通学客や物販目的の利用者もいましたが、周囲の道路整備に伴い利用者は激減しています。駅の近くには木屋床という小集落もありますが、そこへ行くにも多くの山道を昇る必要があります。

インターネットやメディアの影響で数回訪れる人が増える時期もありますが、依然としてアクセスの難しさが「秘境駅」としての地位を確立しています。周囲は自然が豊かで、崖下には落ちる危険性があるため、注意が必要です。

文化的な側面

坪尻駅は小説やテレビ番組でも扱われることが多く、特に異なる視点からこの場所を探求する作品も多いです。ミステリー小説ではこの駅を舞台にしたトリックが考案されたこともあり、ファンにとっては特別な存在となっています。さらに、駅を訪れる際には、駅から直線距離で500メートルほど離れた場所に設置された展望台から駅の全景を楽しむこともできます。

まとめ

坪尻駅は、存在そのものが一つの観光スポットとなっており、その特異な立地と歴史的な背景は訪れる人々に新たな体験を提供しています。もともとの自然の美しさと乗り物の闇深い歴史を体感できる場所として、今後も注目が集まることでしょう。

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