城山 (鹿児島市の町丁)
城山の概要
鹿児島市城山は、同市の中央部に位置する町丁で、城山一丁目と城山二丁目から構成されています。この地域は、1970年代に大規模な宅地開発によって誕生した城山団地が中心となっており、新興住宅地としての性格を持っています。2020年4月1日現在、人口は3,335人、世帯数は1,642世帯です。全域で住居表示が実施されており、整然とした街並みが特徴です。
地理的特徴
城山は、甲突川の下流域に位置し、北に玉里町、冷水町、南に長田町、城山町、東に冷水町、長田町、そして草牟田と隣接しています。この地域は、新興住宅地として開発された一方で、南部には国の史跡及び天然記念物にも指定されている城山がそびえ立ち、自然豊かな環境も持ち合わせています。
城山の歴史
城山の地名は、南北朝時代の上山氏の居城、そして江戸時代の島津氏の居城であった鹿児島城（鶴丸城）の背後に位置することから、その名が付けられました。この地は、1965年から1977年にかけて鹿児島開発事業団によって大規模な団地開発が行われました。この開発では、城山の後背部約41万平方メートルが削り出され、その土砂は与次郎ヶ浜の埋め立てに利用されました。
特に注目すべきは、土砂の運搬方法です。大量の土砂を効率的に運ぶため、また公害対策として、甲突川にパイプラインを設置し、水に溶けやすいシラスの特性を利用した「水搬工法」が採用されました。この工法により、土砂は海水と共にパイプラインを通じて与次郎ヶ浜まで運ばれました。この造成工事は1971年に完了し、総面積41万1000平方メートル、総事業費25億7,200万円を要しました。
1976年7月5日には、住居表示が実施され、城山団地として造成された区域に、草牟田町、玉里町、長田町、冷水町の一部が編入され、現在の城山一丁目と城山二丁目が誕生しました。これにより、城山は新しい町としての歴史を歩み始めました。
地域の特徴
城山は、住宅地としての側面が強いですが、地域内には鹿児島市立草牟田小学校や城山保育園などの教育施設、城山簡易郵便局などの公共施設も存在しています。これらの施設は、地域住民の生活を支える重要な役割を果たしています。また、この地域には、国指定の史跡・天然記念物である城山が存在し、歴史と自然が融合した独特の景観を形成しています。
城山の変遷
1995年以降の国勢調査による人口推移を見ると、城山一丁目と城山二丁目で人口の変動が見られます。これは、都市開発や社会情勢の変化に伴うものであり、地域の変遷を示しています。
城山は、その歴史的背景、地理的特徴、そして近代的な開発が融合した、独特の魅力を持つ地域です。住宅地としての機能だけでなく、自然と歴史に触れることができる場所として、地域住民に親しまれています。
参考資料
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