堀河局

堀河局（ほりかわのつぼね）または堀川局は、主に平安時代後期から鎌倉時代にかけて用いられた女房名の一つです。文献においては、「河」と「川」の字が区別されずに表記されることが一般的です。

歴史上に実在した人物として、以下の女性たちが堀河局の名で知られています。

待賢門院堀河: 平安時代後期の歌人であり、待賢門院藤原璋子の女房として仕えました。神祇伯源顕仲の娘で、女房三十六歌仙および中古六歌仙の一人として名を連ねています。彼女は歌人としての才能に優れ、多くの歌を詠みました。2012年に放映されたNHK大河ドラマ『平清盛』に登場する「堀河局」は、この待賢門院堀河をモデルとしています。

七条院堀川局: 平安時代後期の女性で、七条院藤原殖子の女房でした。源家長の娘であり、従二位藤原雅長の妻の一人でもあります。彼女は正三位室町家信（1182年生）の母としても知られています。七条院に仕え、その周辺の人々との交流を通じて、歴史に名を残しました。

氏名不詳の堀河局: 平安時代末期から鎌倉時代前期にかけての女性で、皇太后宮亮美作守藤原行雅の娘です。有職故実（ゆうそくこじつ）に精通しており、摂政関白太政大臣を務めた松殿基房の妻の一人となりました。彼女は正二位大納言松殿忠房（1193年生）の母としても知られています。文化的な知識を生かし、松殿基房を支えたと考えられます。

高階邦子: 鎌倉時代の女性で、後伏見天皇の後宮に入りました。従二位高階邦経の娘であり、仁和寺禅阿院御室・法守法親王（1308年生）の母です。後伏見天皇との間に皇子をもうけ、皇室に貢献しました。

これらの堀河局たちは、それぞれの時代において、宮廷社会で重要な役割を果たしました。歌人として才能を発揮したり、有力者の妻として家を支えたり、天皇の母として皇室に貢献したりと、その生き方は様々です。彼女たちの名前は、歴史の記録や文学作品に残り、後世に語り継がれています。

堀河局という名は、単なる女房名を超えて、それぞれの女性たちの個性や才能、そして彼女たちが生きた時代の宮廷社会を象徴するものと言えるでしょう。

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