報国寺 (鎌倉市)

報国寺：竹林に囲まれた鎌倉の静謐な禅寺

報国寺は、神奈川県鎌倉市浄明寺に位置する臨済宗建長寺派の寺院で、正式には功臣山報国建忠禅寺と称します。本尊は釈迦三尊で、特に境内を埋め尽くす約2000本の孟宗竹からなる竹林が、訪れる人々を魅了し、「竹寺」として広く知られています。鎌倉三十三観音霊場の第10番、鎌倉十三仏霊場の第4番（普賢菩薩）、東国花の寺百ヶ寺の鎌倉5番札所としても名を連ねています。

歴史

報国寺は、1334年（建武元年）に天岸慧広によって開山されたと伝えられています。開基については、足利尊氏の祖父である足利家時、または上杉重兼であるという説があり、両家ゆかりの菩提寺として歴史を刻んできました。室町時代には臨済宗の寺格である諸山に列せられ、格式の高い寺院として知られていました。1438年（永享10年）の永享の乱では、敗北した鎌倉公方足利持氏の子、義久がこの寺で自刃したという悲しい出来事も記録されています。

昭和初期には、寺の近隣に華頂博信侯爵が旧華頂宮邸を建設し、この地はさらに歴史的な重みを増しました。

竹林

報国寺の竹林は、その美しさで訪れる人々を魅了します。竹林の中を歩くと、都会の喧騒を忘れ、静寂と清涼感に包まれます。竹の葉が風にそよぐ音、竹林を通り抜ける光、すべてが心を癒してくれます。

文化財

報国寺には、貴重な文化財も所蔵されています。その中でも特に重要なのは、以下のものです。

東帰集（伝仏乗禅師筆）: 仏乗禅師（天岸慧広）の筆による書物で、禅の思想が込められています。
仏乗禅師度牒、仏乗禅師戒牒: 仏乗禅師の人物を知る上で貴重な資料です。

これらの文化財は、報国寺の歴史と文化を物語る上で重要な役割を果たしています。

日曜座禅会

報国寺では、毎週日曜日の午前中に本堂にて「日曜座禅会」が開かれています。座禅初心者でも気軽に参加でき、心静かに自分自身と向き合う時間を持つことができます。

時間: 毎週日曜 7:30～10:30
参加費用: 志納
途中参加: 不可

所在地とアクセス

報国寺は、鎌倉駅からバスでアクセスできます。

所在地: 神奈川県鎌倉市浄明寺ニ丁目7番4号
交通: 京急バス「浄明寺」バス停下車

拝観情報

竹の庭 拝観料: 300円
拝観時間: 9:00 - 16:00
茶席「休耕庵」: 抹茶と茶菓子 600円（拝観料別途）

報国寺は、鎌倉の歴史と文化、そして美しい自然が調和した魅力的な寺院です。ぜひ一度足を運び、その静謐な空間を体験してみてください。

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