壬生孝亮

壬生孝亮の生涯と官歴

壬生孝亮（みぶ たかすけ、1576年1月12日 - 1652年11月8日）は、安土桃山時代から江戸時代の初めにかけて活躍した地下官人である。父は左大史の壬生朝芳であり、官位は正四位上、左大史にまで昇進した。彼の経歴は官歴や家柄のんとなる権力抗争が色濃く反映されている。

初期の活動と官位昇進

天正14年（1586年）に元服を果たし、正六位上に叙せられた後、左近衛将監兼中務大丞に任ぜられ、禁色昇殿を許された。以降、数度にわたり官位が昇進し、慶長8年（1603年）には従五位下に叙爵した。この頃には右大史に任官され、その後も順調に昇進を重ねていく。

その一方で、孝亮の周囲は複雑な権力関係で形成されていた。4歳年下の平田職忠は、江戸幕府からの信任が厚く、下位にあたるにも関わらず、昇進を果たす。平田は蔵人所出納・催官人としても成長し、孝亮が支配していた公共の官人たちに影響を与え始める。このような状況に孝亮は強い不満を抱くことになる。

平田職忠との対立

寛永11年（1634年）には、孝亮と平田職忠の間に相論が発生。孝亮は職忠の官幣に対し反発し、平田は自己の地位を正当化するために反論を行う。平田家が古くからの公家に比して格下であるという孝亮の意見に対し、平田は新たに設けられた職掌と待遇が正当であると主張する。このことは、当時の公家社会のルールに反するもので、両者の対立を深める要因となった。

売官問題と官位抹消

ところがこの対立は、両者を兵頭とする審議の過程で孝亮の売官問題が明るみに出てしまう。結果として、彼は解官となり、官職を追放される運命を辿る。これにより壬生家は平田家の職掌を認めざるを得なくなり、家格による優劣の関係は逆転してしまった。このように、孝亮は自らの地位を守ることに失敗し、出納との抗争に敗れた形となった。

晩年と若干の遺族

晩年は平田家の昇進を見ながら過ごし、享年78でその生涯を終えた。彼の子息は壬生忠利であり、父のlegacyを引き継ぐ存在となった。壬生孝亮の生涯は、官位や家柄による権力争いとその混沌とした状況が織りなす物語の一つであった。

官歴詳細

• - 天正7年（1579年）3月14日：従五位下に叙任
• - 天正14年（1586年）10月30日：元服、逆退正六位上・六位蔵人・左近衛将監、禁色昇殿を許可、兼中務大丞
• - 慶長6年（1601年）3月22日：算博士を兼任
• - 慶長8年（1603年）2月10日：従五位下、右大史に任命
• - 慶長16年（1611年）4月21日：従五位上に昇進
• - 慶長17年（1612年）1月5日：正五位下と左大史に任命
• - 慶長20年（1615年）1月6日：正五位上に昇進
• - 元和3年（1618年）1月5日：従四位下
• - 元和5年（1620年）12月25日：従四位上
• - 寛永4年（1627年）12月4日：兼主殿頭を遂行
• - 寛永5年（1628年）2月10日：正四位下に昇進
• - 寛永8年（1631年）11月6日：正四位上
• - 寛永11年（1634年）日付不詳：解官となる
• - 承応元年（1652年）10月8日：逝去

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