壱岐対馬国定公園

壱岐対馬国定公園は、長崎県北西部に位置する、壱岐と対馬の海岸部を中心とした国定公園です。1968年7月22日に指定され、海中公園が多数分布しているのが特徴です。この地域は、大陸性の固有種が多く生息することでも知られており、ツシマテンやツシマヤマネコなどは天然記念物に指定されています。

また、両島は古くから大陸との交流が盛んだった地域であり、元寇の防塁跡や原の辻遺跡（特別史跡）、金田城跡（特別史跡）など、数多くの歴史的な遺産が残されています。そのため、文化的景観の保護という側面も重要な役割を担っています。

国定公園の指定面積は、陸域が11,946ヘクタール、海域（普通地域を含む概算）はおよそ31,000ヘクタールに及びます。そのうち、海域公園は5地区5か所、47.5ヘクタールとなっています。壱岐は1958年、対馬は1960年にそれぞれ県立公園（県立自然公園）として指定されていましたが、国定公園への指定に伴い、これに移行しました。

概要

壱岐と対馬では、対照的な海岸風景を見ることができます。

壱岐
岳ノ辻を主峰とする火山島で、島の多くは玄武岩による台地です。険しい海蝕による断崖が特徴的で、周辺には海中公園が数多く存在します。
対馬
浅茅湾を中心に、南東部（長崎鼻 - 豆酘湾）、北東部（舟志湾 - 鰐浦）に分布しています。対馬海峡に面した海岸は、北西部の魚瀬、西部の海神神社一帯に広がっています。こちらも周辺には海中公園が多く、浅茅湾や豆酘湾をはじめとする穏やかなリアス式海岸が連続する地形が特徴です。
対馬山岳部
下島の竜良山には、カシ、シイの原生林（天然記念物）、白岳にはアベマキ、チョウセンヤマツツジの原生林（天然記念物）、上島の御岳にはモミ、ツガの原生林（天然記念物）が見られます。有明山は、対馬の嶺とも呼ばれ、遠くからでも見ることができ、古くは万葉集にも詠まれた場所です。ここからは、厳原の風光明媚な海岸線や、遠く壱岐の島影を望むことができます。

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