外浜駅

外浜駅について

外浜駅は、かつて福岡県北九州市門司区浜町に存在した、日本貨物鉄道（JR貨物）鹿児島本線の貨物駅でした。この駅は、門司港駅から分岐する貨物支線の終着点であり、貨物輸送において重要な役割を果たしていました。しかし、2005年（平成17年）に営業を休止し、2008年（平成20年）に正式に廃止されました。

駅の構造と役割

外浜駅は、門司港駅からの貨物支線の終着駅でしたが、構内には数本の側線があるのみで、大規模な貨物取扱施設は設けられていませんでした。駅の北側には、田野浦公共臨港鉄道が接続しており、貨物列車がこの臨港鉄道と直通運行する際には、外浜駅は信号場としての役割を担っていました。

かつては、駅構内は現在よりも広く、有蓋車用の貨物ホームも存在していました。さらに、海に面した場所にある三井倉庫などの倉庫群へ至る専用線も敷設されていましたが、これらの専用線は現在では撤去されています。

貨物列車の運行終了に伴い、外浜駅は2009年（平成21年）7月に解体され、その歴史に幕を閉じました。

外浜駅の歴史

外浜駅の歴史は、1929年（昭和4年）に門司築港によって門司駅と門築大久保駅間が開業したことに始まります。その後、1930年（昭和5年）に外浜駅が開業し、門司駅から当駅までが国鉄鹿児島本線の貨物支線となりました。

1960年（昭和35年）には、門築土地鉄道線が廃止され、市営の田野浦公共臨港鉄道となりました。国鉄分割民営化により、1987年（昭和62年）にJR貨物が外浜駅を継承しましたが、1999年（平成11年）に田野浦公共臨港鉄道が当駅の側線として認可されるまで、その運営には紆余曲折がありました。

2004年（平成16年）に貨物列車の運行が終了し、2005年（平成17年）には路線が休止、そして2008年（平成20年）に門司港駅から当駅間の鹿児島本線貨物支線が廃止され、外浜駅もその役割を終えました。

田野浦公共臨港鉄道について

田野浦公共臨港鉄道は、外浜駅から周防灘に面する田野浦駅までの全長3.4kmの専用鉄道で、北九州港管理組合（現在の北九州市港湾空港局）によって管理されていました。

この鉄道は、門司築港によって開業し、後に門司市（現・北九州市門司区）が引き継ぎました。田野浦公共臨港鉄道からは、農林水産省福岡食糧事務所門司政府倉庫や伊藤忠飼料門司工場、三井鉱山セメント門司仕上工場など、多くの専用線が分岐していました。

特に、三井鉱山セメント門司仕上工場へのセメント輸送貨物列車は、平成筑豊鉄道金田駅から当駅を経由して工場まで運行されていましたが、2004年（平成16年）に運行を終了し、2005年（平成17年）には正式に運行が休止されました。現在、これらの専用線はすべて撤去されています。

田野浦公共臨港鉄道は、かつて日豊本線下曽根駅までの延伸計画がありましたが、実現には至りませんでした。また、1987年（昭和62年）の鉄道事業法施行時の手続きミスにより、12年間にわたって無免許営業をしていたという経緯も持ちます。この問題は、1999年（平成11年）に全線を外浜駅の側線として扱うことで解決されました。

現在の状況

外浜駅と田野浦公共臨港鉄道の歴史は、北九州市の鉄道史において重要な位置を占めています。現在、外浜駅の跡地は再開発され、その面影を見ることはできません。しかし、その歴史は、九州鉄道記念館駅（門司港） - 関門海峡めかり駅（和布刈公園）間を走る観光列車「門司港レトロ観光線」にその一部が継承されています。

この観光路線は、外浜駅の廃止後に、地域の観光振興策の一環として開業しました。かつての貨物支線の一部と田野浦公共臨港鉄道の一部を活用し、観光客に鉄道の歴史と美しい景観を提供しています。

外浜駅は、その短い歴史の中で、地域経済と物流を支え、多くの人々の生活に深く関わってきました。その歴史は、北九州市の産業と鉄道の発展を語る上で、欠かすことのできない重要な一部です。

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