外眼筋

外眼筋

外眼筋（がいがんきん、英: Extraocular muscles）は、眼球の運動を制御する7つの外在筋からなる重要な筋群です。これらのうち6つは眼球の動きに直接関与し、残りの1つは上眼瞼の挙上を担当します。外眼筋の役割や構造は、視覚機能や眼の動きにおいて重要な意味を持っています。

構造

人間の眼球は高解像度な視覚情報を提供できるのは中心的な窩のみです。そのため、効率的に視点を移動させるために、眼球を瞬時に動かす能力が求められます。外眼筋はその大部分が意識的な努力なしに働き、目標を見るための動きを調整する役割を果たします。眼球の動きは、随意運動と不随意運動が統合された形で行われ、特に前庭動眼反射が不随意の動きでは重要です。

外眼筋の種類

外眼筋は、上直筋、下直筋、内直筋、外直筋という4つの直筋と、下斜筋、上斜筋という2つの斜筋から成ります。命名はそれぞれの筋肉の起始点や停止点に由来しています。これら7つの筋肉が協力して、眼球をさまざまな方向に動かすことができます。

プーリー系

外眼筋の機能には、眼窩内にあるプーリー（滑車）系が重要な役割を果たしています。このプーリーは、外眼筋の運動を基礎的に支え、目の動きが整然と行われるように働きます。また、プーリーの異常は特定の眼疾患を引き起こす原因となります。

血液供給と神経支配

外眼筋は主に眼動脈の分枝から血液供給を受けています。例えば、外直筋は涙動脈を通じて間接的に血液を供給されます。この筋群の神経支配は動眼神経（第Ⅲ脳神経）、滑車神経（第IV脳神経）、外転神経（第VI脳神経）によって行われ、いずれも脳幹の神経核から信号を受けて動いています。

動眼神経は、大部分の外眼筋を支配し、上斜筋や外直筋を除く全ての筋に指令を与えます。この協調により、視線の移動が自然に行えるようになっています。

機能

外眼筋は、眼球運動を協調的に行うことによって、視点の移動を可能にします。動眼神経、滑車神経、外転神経の統合による協調がなければ、視線を適切に目標に合わせることは難しくなります。眼球は主に共同運動と不共同運動の2つの運動パターンを用います。

例えば、視線を左右に移動する際には、一方の眼球が外側に、もう一方が内側に動くので、視野が安定します。また、特に視覚情報を素早く処理しなければならない状況では、両眼の動きがほぼ自動的に調和します。斜視など、運動の不具合は診断において重要な手がかりとなります。

臨床的意義

動眼神経、滑車神経、外転神経の損傷は、さまざまな眼球運動障害を引き起こす可能性があります。筋力低下や動きの不調和により、複視や眼瞼下垂などの症状が見られることもあります。これらの神経の機能障害は、診断上重要な情報源となり、頭蓋内圧亢進の兆候や動脈瘤を示唆する手がかりとなることもあります。

検査法

初期評価は、眼球の各方向の運動をテストすることから始まります。具体的には、指や物を使って大きな「H」を描くことで、患者が目で追う動作を観察します。また、光反射を用いることで筋力やバランスの状態をチェックすることが可能です。

外眼筋は眼球運動において非常に重要な存在であり、その機能を理解することで、多くの眼疾患への理解が深まります。

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