夢追い酒

夢追い酒の歴史と影響

「夢追い酒」は、渥美二郎が1978年2月25日にリリースした3枚目のシングルです。この曲は、発売当初はあまり注目されなかったものの、渥美自身の地道なプロモーション活動が実を結び、徐々に人気を博していきました。

成功までの道のり

リリースから約10か月後の1978年12月、「夢追い酒」は日本有線大賞の敢闘賞と全日本有線放送大賞の努力賞を受賞します。この受賞を契機に、1979年には爆発的な売上を記録し、オリコンチャートではトップ10に初めて登場しました。西城秀樹の「YOUNG MAN (Y.M.C.A.)」やジュディ・オングの「魅せられて」に次ぐ形で、週間最高位は2位を獲得し、1979年の年間チャートで第1位を獲得することとなります。このオリコンの週間順位が最高2位のままでの年間第1位は、オリコンの歴史において特筆すべき出来事です。

「夢追い酒」は、その後も109週にわたりオリコンの100位圏内にランクインし続けるロングセラーとなりました。そして1979年末には『第21回日本レコード大賞』でロングセラー賞も受賞しています。最終的には、オリコンでの累計売上は182万枚に達し、公称では約280万枚とされていますが、この曲は渥美が所属するCBS・ソニーの中で、最も売れたレコードとしての記録を保持していました。

テレビでの認知

また、TBSの音楽番組『ザ・ベストテン』では、1979年の5月に3週連続で10位にランクインしました。「夢追い酒」は演歌として初めてベストテンに入った楽曲でもあります。このヒットによって、渥美は1979年の大晦日放送の『第30回NHK紅白歌合戦』に初めて出場を果たしました。この紅白歌合戦への出演は、2022年現在においても渥美自身にとって唯一の紅白出演となっています。

曲の内容と制作

「夢追い酒」の楽曲は、作詞を星野栄一が手がけ、作曲には遠藤実が参加しています。収録されている「夢追い酒」は3分55秒、「おもいで北千住」は3分8秒の長さで、両楽曲ともにそれぞれ異なる編曲家によってアレンジされています。

多くのアーティストによるカバー

この曲は多くのアーティストにカバーされています。美空ひばりが1980年のアルバム『おまえに惚れた』にて、テレサ・テンが1980年の『演歌のメッセージ』でカバーしました。また、香西かおりや千昌夫など、国内外のアーティストが様々なアルバムでこの曲を取り上げています。香港や台湾の歌手による広東語や中国語のカバーも数多くあり、曲の国際的な人気を示しています。

まとめ

「夢追い酒」は、渥美二郎にとっての代表作であり、演歌のシーンで重要な役割を果たした楽曲として今でも多くの人に愛されています。発売から数十年が経過した今でも、その影響力は色あせることなく、多くのアーティストによって歌い継がれています。

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