大ノ森金市

大ノ森金一 (おおのもり きんいち)

大ノ森金一は、1920年8月5日に秋田県平鹿郡大森町（現在の横手市）で生まれた大相撲の元力士です。本名は大黒金一であり、後に姓を神谷に改めています。彼は伊勢ヶ濱部屋に所属し、現役時代には176cm、83kgという体格を誇り、最高位は東前頭5枚目に達しました。技の種類には右四つ、突っ張り、足癖がありました。

来歴

16歳で上京した大ノ森は、1937年の1月場所に伊勢ヶ濱部屋から初めて土俵に上がりました。四股名「大ノ森」は、彼出身の平鹿郡大森町に由来しています。序ノ口からのスタートでしたが、1938年1月場所以降は負け越すことなく、順調に番付を上げていきました。1941年5月の場所で十両に昇進し、同年の2場所を通じて好成績を残した後、1942年5月にはついに入幕を果たしました。

新入幕の際は、7勝8敗という成績で番付に付いて以来初めての負け越しを経験し、続く場所ではさらに厳しい3勝12敗と大きく負け越し、再び十両に落ちてしまいます。ただし、1944年1月には再入幕を果たし、以降は幕内に定着したものの、その後の成績は決して平坦ではありませんでした。

大ノ森は小柄ではありましたが、上突っ張りで相手を翻弄しました。そして、右を差して相手の左側に食いつくスタイルが特徴でした。右からの下手投げや内掛け、さらには切り返しなどの多彩な技を駆使し、スピーディーな相撲を展開しました。

しかし、1947年6月場所を最後に、彼は「家業に専念する」理由で現役を引退しました。廃業後は東京都内において運送業の「神谷」を経営し、社長として成功を収めました。また、伊勢ヶ浜部屋OBの会である「伊勢ケ浜会」の会長も務めたことから、現在も多くの人々から敬愛されています。

主な戦績

大ノ森金一は、通算成績では99勝94敗10休、勝率は0.513を記録しました。幕内成績は38勝57敗10休で、勝率は0.400でした。現役在位は21場所、うち幕内在位は9場所にのぼります。そして、1941年1月場所においては、1回の幕下優勝を成し遂げています。この成績は彼の努力と才能の結果であり、大相撲界での足跡として大いに評価されています。

彼の生涯は、力士としての高い志と、相撲界への貢献によって築かれたものであり、その功績は後の世代の力士たちにも影響を与えています。大ノ森金一の名前は、今もなお大相撲界の歴史の一部として多くの人々に記憶されています。

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