大久保昭男 (声楽家)

大久保昭男

大久保昭男（おおくぼ あきお、生年月日非公表）は、日本の声楽家（バリトン）であり、音楽教育者としても著名な人物です。

経歴

1953年、東京藝術大学音楽学部声楽科を卒業。在学中は矢田部勁吉に師事し、声楽家としての基礎を築きました。同年5月にはNHKオーディションに合格し、その才能を早くから開花させました。

1954年2月、二期会オペラ公演『カルメン』でモラレス役を演じ、オペラ歌手としてデビュー。同年5月には、日本楽劇協会・二期会オペラによる山田耕筰指揮の『黒船』初演、長門美保歌劇団によるドヴォルザークのオペラ『ルサルカ』初演など、数々の舞台に出演し、その実力を示しました。1959年には、ドイツ・リートや日本歌曲による初のソロリサイタルを開催し、幅広いレパートリーを披露しました。

1960年、畑中良輔の要請により、慶應義塾ワグネル・ソサィエティー男声合唱団のヴォイストレーナーに就任。これを機に、関西学院グリークラブ、同志社グリークラブ、明治大学グリークラブ、立教大学グリークラブ、上智大学グリークラブ、早稲田大学コール・フリューゲル、法政大学アカデミー合唱団、早稲田高等学院グリークラブ、大東文化大学混声合唱団、東京経済大学グリークラブ、しなの合唱団、長崎アカデミー合唱団、新宿混声合唱団など、数多くの合唱団のヴォイストレーニングを指導しました。その指導は、関東・関西の大学やアマチュア合唱団にまで広がり、ヴォイストレーニングの第一人者として、その名を広く知られるようになりました。

長門美保歌劇団に所属していたほか、東京藝術大学講師、昭和音楽大学短期大学部教授を歴任し、後進の育成にも尽力しました。

人物

ニックネームは「ダグ」「ダグ先生」として親しまれています。その由来は、戦後間もなく朝日新聞に掲載された漫画『ブロンディ』の登場人物であるダグウッドに、髪型がそっくりだったことに起因しています。一部で「ダックスフント」が由来とする説がありますが、これは誤解です。

大久保昭男は、その卓越した歌唱力と指導力で、日本の声楽界、合唱界に多大な貢献をした人物として、広く知られています。

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